「今ひとつ伝わってこない「温度感」。」64 ロクヨン 前編 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)
今ひとつ伝わってこない「温度感」。
瀬々監督の仕事でなければ観に行こうとも思わなかっただろうし、実際にまぁ観なくてよかったかなと思った一本。
原作の2/3までをまとめた構成・脚本はこれ以上ないほど良い仕事だし、監督らしい静謐だけど熱を切り取る演出は堪能させていただいたが。
いかんせん役者に乗り切れなかったのがとにかく無念。
40代以上と以下で、温度差がありすぎて。
一番の感想が「若造、とりあえずまず髪を切ってこい!」だったのはどうなんだろうか。
やたら憎たらしいのが好演の証の瑛太氏の新聞記者はまだしも、髪はねハネでピアス穴だらけで警察官(元交通課、苦笑)ってどうなのよ?な榮倉氏。
何より今作で一番のミスキャスト、「眉根にしわ寄せて深刻そうな台詞言っとけばいいと思っている節がある」見飽きた演技の綾野剛氏(34歳か、歳は喰ってるんだな)。
ベテラン勢が良い演技を見せる分、そこが自分にとって作品に対してのブレーキにしかならなかったのが残念で仕方がなかった。
ことに綾野氏の演じる諏訪の存在感が…原作で年齢を言及されなかったとはいえチャラすぎるのが。
自分が三上で、仕事内容と職責を考えたら、ありえないでしょうこのチーム編成は、自分の下との間が20年以上開くって。
それだけで説得力が無くなるわ。
まぁ正直な話、原作を面白いとはサッパリ思えなかったというのはあるのは申し訳ないところではあるが。
「原作とは違ったラスト」に期待して後編も観には行くけれど、『映画史に残る傑作の誕生』では決して無いと強く思う作品。
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