劇場公開日 2016年5月7日

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「重厚な人間ドラマ」64 ロクヨン 前編 chaiさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5重厚な人間ドラマ

2016年5月10日
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鑑賞方法:映画館

昭和天皇崩御のためたった一週間だけの昭和64年に起きた誘拐事件に端を発している。

それから14年たったところから始まる。
当時は刑事だった三上が広報官となり警察とマスコミ両方から敵対視される。

原作ではノイローゼになってもおかしくないんじゃないかと思うような警察内でのイジメや攻撃が細かく描かれているが、流石にこの辺りは思ったよりサラッとしてましたね。
しかし三上演じる佐藤浩市さんの演技は鬼気迫るものがあり映画に緊張感が溢れていました。

映像には原作を読んでいたので、ところどころにラストにつながるヒントが散らばってましたね。思わずニヤリとしてしまいました。

上映時間ですが原作を丁寧に描いているからかもしれないがやはり長くなってしまっている。
この辺りは何とかもう少し短く編集出来るのではないかと思わずにはいられない。

前半のクライマックスが記者クラブとの丁々発止のやりとり。
そしてラスト。
ついに事件が起こってしまう。
原作でも後半からの怒涛の展開が起こるのですが、この前後編に分けてしまうというのは流れとしてここで切ってしまうのが残念だ。

映像も暗めで逆光を使うなどして効果的だったが、残念なのはタイトルで『64』のフォントが何故あのフォントにしたのかと、そこはセンスを疑う。

chai