劇場公開日 2015年6月13日

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「なんちゃって学生の卒業制作」ローリング supersilentさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5なんちゃって学生の卒業制作

2017年2月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

全体を漂う気だるい感じは、よく言えばオフビートなリズム感を纏っていて、こういうのを好きな人がいるのも分からなくはないけど、まーとにかく色々とひどい。

まず脚本が悪い。セリフや展開になんの説得力もない。フィクションとしてのドラマに合理的整合性を求めているわけではないけど、観客に一定の共感を与えるためには、登場人物が話すセリフの一つ一つにそのセリフを口にするだけの感情的、もしくは論理的な理由が伴っていなければ見ているものは置いてけぼりになってしまうと思うのだが、まさに脚本家志望の素人が書いたような言い回しには呆れるばかり。人間というのはどんなクズでもやはり人間なわけで、そのセリフの背景にはその人間の実在というか重さが出てきてしまうものだと思うのです。その重さが全くない。脚本家のペン先で作られた言葉じゃないんだよっていうね。

さらに役者の演技力がこれまた文化祭の高校生レベルってくらいお粗末で、もはや苦笑いしかできない。終盤の展開はエキセントリックな演出をしているため尚更演技力の絶望的欠落が目に余るを通り越して痛々しい。とは言え主演の教え子と先生の二人だけは、まあ許容範囲の演技力を保っていたおかげで、前述したオフビートな雰囲気と誤って受け取る人もいるんだろうとは思う。

ただ一つ評価できるのはみはり役の女の子のキュートなエロス。演技力やセリフの欠陥を補って余りあるそのコケティッシュなプロポーションは目を見張るものがある。クズな男たちが馬鹿な脚本でくだらない物語を演じても、そこにキュートな女子の完全性さえ現出させればサブカルもどきの作品ができるという意味で女の子の永遠性というか偉大さを改めて考えさせられた。かわいい女の子はやはりその存在がもう芸術なんだよね。ということで星1・5

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