「これでシン・ゴジラと予算はほぼ同じです。」テラフォーマーズ さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
これでシン・ゴジラと予算はほぼ同じです。
凄く人気のある漫画なんでしょう?
すみません!原作は読んでないんですよ。
火星をテラフォーミング(惑星改造)するの為に送られたゴキブリが、宇宙放射能?によって進化というか、より強く、より早く動ける、凄い生き物に変化してしまった。
火星はそいつらに、まんまと仕切られてるんです。迂闊!
そこで、その進化ゴキブリを駆除する為に、特殊な手術(昆虫の能力を与える:昆虫が人間サイズだったら?)をされた人間15人?が送り込まれる!
この(あらすじ)の中で、ちょいちょい引っかかるとこがあると思います。
例えば、火星改造の為に何故ゴキブリか?とか。
せめて、人間に近いほ乳類にしたらいいじゃないか?とか。
進化の説明が、宇宙放射能ってざっくりし過ぎじゃないか?とか。
宇宙放射能で、ゴキブリが二足歩行でマッチョな、浅黒い肌の非常に人間に似た生物になるんですけど、そりゃ無理がないかい?とか。
進化、進化って、凄く便利だけど、個人的には、現在の生物の授業で習う進化の説明って、林檎の木にミカンがなる!って言ってるような、かなりむちゃくちゃな話しだと思っているんですよ。
さーせん!
あとそもそそも、昆虫が人間サイズになったら、「人間より強くなる」ってどうなの?
とか。
でも、噂によれば、原作ではそこは説得力のある内容になってるようです。
で、本作なんですけど。
冒頭を観て、映画好きのみなさんなら、絶対に「ブレード・ランナー」か!?ってなります(笑)
ええ、なんでしょう?ここまでがっつり寄せてこられると、逆に清々しいよねーって……、ならねーよ!なるか!
あ、まさかの突っ込み待ちなのか?って思ってみたりしましたが、その後の緊張感のないファイトシーンを観るに、「こ、これは、ガチでカッケー映画を撮ろうとしてるのか!?」と分かって、唖然とします。
何故、ブレード・ランナーに寄せてくるのか。
三池監督お得意の、グロホラー(SF隠し味程度)にしないのか。
「人間は本能的にゴキブリが嫌い」
つって、進化した人型ゴキブリ、スタイル抜群なんすよ(笑)
しかも、表情というか、所作がユーモラス。
たまに"ジョジョ立ち"してますからね(笑)
ジョジョ立ちに"本能的な嫌悪感"って、持てないっす!
なので、モデル体型の進化系ゴキブリが大量に襲って来ても、「うわわーきっしょ」とか、「こえー」とかならないです。
おい?キャストが変更された「300(スリー・ハンドレッド)」か?って感じっす(笑)
寧ろ少ないモデル体型進化系ゴキブリが、中盤までちらちら見え隠れして、不安感を煽るくらいの、サスペンスホラー(グロ大目)の方が良かったんじゃないですかねー?
もっとじらして!
あと、三池監督もご存知のように、ホラーって予算が抑えられるじゃないですか-?
インタースティラーのスタッフと一緒に、SF映画の聖地?アイスランドくんだりまで行く必要もなかった筈です。
何かが、大きく間違ってます!
(あらすじ)にありますように、昆虫の能力を持った人間達がモデル体型進化系ゴキブリと戦うんですけど。
「解説しよう」的に、例えば蟻は自分の体重の○○倍を持ち上げられるんだ!とか、いちいち注釈を入れてくるんです。
ま、蟻はいいとして、聞いたことないクロカタゾウムシ、メダカハネカクシの生態を語られても、あんま興味ないですし、頭に入ってこないんですよね。
それより、"何故この昆虫の能力をこの人に?"の方が重要だと思うんです。そのキャラの能力にあった昆虫とミックスされるので。
主人公&準主人公までは、説明(想像がつく)があるんですけど、他のメンバーに関しては、象が乗っても死なないくらい固い虫から、"固さ"とか。
背中七色に光る虫から、"目くらまし"とか。
昆虫の生態の説明はあるも、何故にこの女の子を固いだけに(笑)?とか疑問が残ります。
また、本作の登場人物それぞれに事情があって、崖っぷち状態なんです。
だから「モデル体型進化系ゴキブリ駆除」に参加しているので、やっぱり!幸薄系な回想シーンが長々とあるんです!
俺語り、興味ねーし。俺語り、興味ねーし。その昆虫、興味ねーし!説明長い割には、分かんね。おら、話し分かんね。と、なります。
私かなり昆虫が好きで、アリの目カメラで撮影された「アリのままでいたい」も映画館に観に行ったんですけど。
本作よりかなり面白かったし、昆虫たちのドラマに感動したもんです。
あと、VFXがひでぇ。各登場人物の変身した姿を観て、思わず悲鳴を上げました。
「に、日本って、大魔神時代から、あ、あんま、技術って進化してないんすか?」
と、愕然とする仕上がり。
だから、アイスランドなんか行かないで(以下省略)。
ただ、ただ一つ、すとんと納得したシーンがありました。
それはサバクトビバッタの能力を持つ武藤(山下智久)の、今際の際の台詞です。
変身薬をどんどん打つと人間に戻れなくなってしまうんですが、武藤は構わずもっと力を!もっと力を!と、モデル体型の進化系ゴキブリに囲まれながら、打ち続けます。結果、哀れバッタ人間に。
主人公でオオスズメバチの能力を持つ小町小吉(伊藤英明)に、ボッコボッコな状態のバッタ人間の山ピーが聞くんです。
「(俺)気持ち悪いだろ?」
さすが!まずは見た目!
流石ジャニーズ!この状態で、やっぱ見た目は重要!
すとん。この映画の中で、一番すとんと落ちました。
まぁ、色々と申しましたが、私はこの映画をある方と一緒に観たんですね。
で、突っ込みながら観たので、今となっては「あれ?笑えたかも?」な思い出となっております。
結局、どんな映画にも楽しみ方はありますね。
あ、強引に締めてすみません!