劇場公開日 2016年4月29日

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「このB級感、嫌いじゃない」テラフォーマーズ スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5このB級感、嫌いじゃない

2016年5月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

予告編を見た限りだと相当な駄作臭が漂っていたので、かなり期待値を下げて見たのが良かったのか、意外と面白かったです。
まあ原作は読んでないので、原作と比べてどうなのかは知る由もないですが、あくまで一つの映画として見たら、これぞ三池崇史マジック炸裂な感じで、思いのほか普通に楽しめましたよ。
逆に言えば、前評判や予告編等の前情報から、「進撃の・・・」とか「貞子・・・」級の衝撃的な地雷も覚悟していたので、ある意味肩透かしと言えば肩透かしではあったのですが。

まあしかしこの映画は、舞台が火星と聞いていたので、見る前は日本映画が本気で作ったSF大作映画なのかなとも思っていたのですが、実際のところはちょっとお金を掛けた特撮物の映画版って感じでしたね。
きっとチープ感、B級感漂う雰囲気に、ガッカリした方も多かったことでしょう。
でも私的には、このB級感が思いのほかツボで、おかげで結構楽しめちゃいました。
ゴキブリ人間を相手に戦うのに、リアリティたっぷりだったらむしろ見てられなかったかも。
黒光りするアレのリアル描写だけは勘弁して欲しいですから・・・。

ただ、火星に着くまでのあっさり感、説明の無さ、端折り感は、ちょっと気になりました。
まあこう言うB級テイストな作品は、クドクドと説明されるよりはこのぐらい開き直って描かれた方が案外楽しめるので、これはこれで悪くは無かったのですが、もう少し各人の人物背景を知りたかったなと言う思いは無きにしも非ずで・・・。
しかしネームバリューとは裏腹に、予想外の人物が早めに死んだり、裏切りやまさかの・・・等々、意外性のあるB級的ストーリー構成、死にっぷりは、さすがは三池監督でしたね、女子の扱いに少し不満はありましたけど(苦笑)

各人が身に着けた昆虫の特殊能力も、主役級と脇役で思いっ切り差があったりで、そんな都合の良さも何気にツボ要素でした。
伊藤英明はデビルマン?とりあえず、昆虫の勉強にはなりました、山田孝之のとか特に。
まあ一般受けはしなさそうですが、火星を舞台に豪華俳優陣が昆虫に扮してゴキブリ人間と戦う、こんな内容はなかなか見れるものではないので、頭空っぽにして楽しむのが吉でしょう。

スペランカー