「脚本だけでは全く笑えない」ギャラクシー街道 えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本だけでは全く笑えない
『ギャラクシー街道』を鑑賞。
三谷幸喜監督の最新作で、主演は香取慎吾と綾瀬はるか。
西暦2265年、スペースコロニーと地球を結ぶ幹線道路ルート246666(通称ギャラクシー街道)が開通して150年、かつては賑わったが今では老朽化が激しく閉鎖されるとの噂もある。そこにあるハンバーガーショップには今日も様々な悩みを持った宇宙人達が来店する。
予告編を観た時から不安ではあったが、その不安が的中してしまった。
あくまで舞台はハンバーガーショップであり、宇宙にある必要性は全く感じられない。
様々な個性的な宇宙人を登場させる為にわざわざ宇宙にしたのだろうが、肝心の宇宙人達の個性も今ひとつ。
前作の「清洲会議」でも感じた事だが、笑わせる事に対してビジュアルに頼りすぎ。
今作は更に悪化しており、見た目の個性を超えるキャラクターが存在しない。
見た目よりも強烈な内面的な個性を脚本を駆使して描いて頂きたいものである。
そして、その為には脚本だけではなくそれ相応の演技力も必要不可欠であろう。
どんな強烈なビジュアルであってもそれを超えてくる西田敏行が脇役に回っている事も痛い要因。
三谷脚本は常にキャストを活かしてなんぼである。
それぞれの俳優達の個人技を活かす脚本でなければ笑えない。そういう意味では結論として今作ではメインキャストを活かせているとは言い難い。
ストーリーもあってないようなものだし、映像も映画的ではない。
舞台であったならかなり楽しめたであろうが、映画作品としてはいささか物足りなさを感じる作品であった。
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