「胸を抉られる 現在も変わらない状況を思う」キャロル Yu Snaさんの映画レビュー(感想・評価)
胸を抉られる 現在も変わらない状況を思う
まず大前提として。
素晴らしい映画でした。しかし、あまりに投影をしすぎてレビュー自体も客観的とは言えないと思いますが、映画自体はとても素晴らしく、色々な人に見ていただきたいです。
(内容が響く響かないはかなりあるかと思いますが、一度は見ていただきたいです。)
↓↓↓以下ネタバレ、自分語り含むレビューです。↓↓↓
自分はバイセクシャルの女です。
昨年恋人の女性と別れた自分には後半が辛すぎてずっと泣かずにはいられませんでした、、。
理由はなく、ただ恋に落ちていく。それがたまたま同性であっただけ。
長らくなかった喜びや、美しさに心躍るが、沢山の現実が当然そこにはあって。
同性愛自体が病気とされ「治療」を施されるキャロル。娘を取り戻す為に仕方なく「戻る」様。大半を諦める。それが「子」の為だと言わざる終えない状況。関係性すべてが異常とされる所など、かなり当事者的には胸を抉られる内容でした、。
勿論自分が被害者であると言うわけではありません。ですがそこに横たわる「現実」を思いっきり突きつけられた感じがしました。
それこそ帰る途中で吐いてしまうテレーズの様に、。最後の最後で(勿論どうなったかは分かりません)、少し希望が見えたのが救いでした。
実際、キャロルやテレーズにも矛盾はあるでしょう。でも、愛を求める気持ちを誰が止められるでしょうか。
正しいも悪いもない。ひとつの関係性のお話。
そこまで二人、ひいてはその他の人の「個性」が分かるわけでもない。それでも感情移入せずにはいられませんでした。
音楽も映像も、勿論内容も素晴らしかったです。
是非広く皆様に見ていただきたいです。
初めてのレビューをさせていただきした。
ここまで読んで頂きありがとうございました。