「実は女性がグッと来る落としテク満載やね」キャロル そいまめさんの映画レビュー(感想・評価)
実は女性がグッと来る落としテク満載やね
俳優が成せる映画。
ケイト ブランシェットの女豹のように獲物を捕らえる眼差しに、打ち砕かれる信念に揺れる寂しさと葛藤。
この女優は美しさと強さに加えミステリアスで、情熱的で冷静で…………。
憧れます。
ルーニー マーラのいつも周りに流されてきた人生に芽生える自覚に、戸惑い、変わろうとする向き合い。
これまた微妙な変化を目だけで演じています。 リスのような目から、覇気が宿ったような後半の目の輝きが絶品!
静かな始まりから迎える静かなエンディング。
ラストはテレーズと同じ視線で、キャロルを見つめる自分がいる事でしょう。
とにかく50年代のアメリカが見事なまでに再現されている。
衣装から街並み、小物一つをとっても抜かりなく、50年代の最中、映画を観に来た感覚に陥ります。
ため息ものの美しさ。
キャロルはただ単に女性が好きな女性ではなかったと思うのですが、その辺りがもう少し腹に落ちる演出があれば、アカデミー作品賞にも滑り込めたかな?
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