「サイバー犯罪ものとしては面白かったけれど」ピエロがお前を嘲笑う つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
サイバー犯罪ものとしては面白かったけれど
鮮明でシャープな映像のドイツ映画らしいサスペンスで、面白いか面白くないかでいえば、それなりに面白かった。
インターネット内のやり取りの視覚化、サイバー犯罪の内容とやり方、その辺のハッキング関係は、ただパソコンをカチャカチャするだけではない力業だったりアナログな方法だったりして良かった。
システムの穴は結局人間なのだと、知ってはいたけど改めて映画として観るとより分かりやすかった。
しかし、クライムサスペンスとしては面白かったけれど、煽りに使われてる「100%見破れない」に関してはハッキリ言ってお粗末だったといえるだろう。
見破れたか見破れなかったか以前に、この手の「トリック」と銘打っている作品の場合、必要な情報を開示し、それを誤認させることでトリックとする。つまり、見破れるだけの確定している情報が必要だ。
最初から本当か嘘かわからない話を見せられて、どう?ビックリしたでしょ、と言われても、こんなもの何でもありの夢オチと変わらない。
エンディングで「ああ、そう」というフラットな気持ちではなく、「何だって!?」という驚きがなければいけない。
不快になるわけではないので別に構わないのだけれど、余計な煽りを入れなければもっと普通に楽しめたのにと残念に思う。
ハリウッドリメイクするらしいけれど、その辺上手くやれるのだろうか。
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