「認めて欲しい、誰もが思う素直な気持ち。」ピエロがお前を嘲笑う アルさんの映画レビュー(感想・評価)
認めて欲しい、誰もが思う素直な気持ち。
とにかく目立ちたい、凄いと言われたい、
そんな誰もが持っている承認欲求。
それに対して過去の失敗や経験から、
自分に自信が持てないベンヤミン。
冴えないベンヤミンが好きな子の為に、
勇気を出して唯一自分が出来る行動をする。
この切っ掛けが、大きな転機になる。
この転機が、ベンヤミンを"CLAY"として、
ハッカーとして、人生を大きく変えていく。
ダークウェブの世界でのカリスマ"MRX"に対し、
"憧れ"から"承認欲求"、"敵"へと変わっていく。
アンダーグラウンドなネットでのやり取りを、
地下鉄のシーン&仮面で統一して表現しており、
見えない顔、会話、アイテムなどを、
上手くリアルと融合しているのは秀逸。
マリがヒロインらしくないとの批評もあるが、
落ちこぼれていたり、深夜に出歩いていたり、
敢えてそこまで目立たせなかったのかと。
マリが美人過ぎるとリアリティが無くなり、
このキャスティングもなるほどと後から感じる。
冒頭のシーンから過去に遡っての展開は、
よくある手法だが伏線が上手い。
『伏線に騙される』のが分かっているのに、
わざわざ『自分から騙される』感覚が面白い。
早々に展開に気付いたので低評価、、、ではなく、
ストーリーと伏線、人物の考察も楽しんで。
拙い見栄やアピールなどのイタズラから、
じわじわと大きな案件になっていく怖さが良い。
個人的に勝手に思い込んでいたのだが、
ハッカーは安全な場所で数多のサーバーを介し、
セキュリティを破って侵入すると思っていた。
思いの外に実行部隊的な感じで驚いた。
ラストの盛り上がりが穏やかだが、良作。
伏線読み切れず、自分は騙されましたw
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