「I AM INVISIBLE MAN」ピエロがお前を嘲笑う 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
I AM INVISIBLE MAN
警察に出頭してきた一人の青年。
彼の名は、ベンヤミン。数々のサイバー事件に関与したサイバー集団“CLAY”のメンバーで、ある殺人の疑いも掛けられている。
天才ハッカーでありながら、スーパーヒーローに憧れる透明人間と言う彼に何があったのか…? 事の顛末を語り出す…。
…と言うと、何となく察しは付く。
語っていた話は全て嘘で、警察も観ている我々も騙していた『ユージュアル・サスペクツ』スタイル。
例には漏れず。しかし、関与するまでに至った経緯、スリリングな展開。どんでん返しの後にもう一転。
サイバー世界でのやり取りを不気味なピエロマスクで表した演出も斬新。
飽きずに見れる2014年のドイツ製サイバー・サスペンス。
自白からの経緯は…
冴えない自分、冴えない人生。
片想いしていた女の子や同級生と再会しても「誰?」な状態で、透明人間のよう。
スーパーヒーローになりたい…。
そんな軽はずみな気持ちで小事件を起こすが、それがきっかけで3人組のサイバー集団から勧誘。
“CLAY”と名乗り、名を馳せるが、大きな事件や殺人容疑で警察やマフィアからも狙われるヤバい事態に陥り、自分の居場所と感じていた仲間とも…。
そして警察へ…。
この後の展開は二転三転。
まだ見てない人の為にも書かない方がいいかもしれないが、見た記録やオチを忘れない事も含め(最近忘れっぽいんだよね~)、ネタバレチェックして。
前述の通り、話していた事は嘘。
…と言うより、妄想。
ベンヤミンは多重人格者で、そもそも他の3人の仲間もおらず、全てベンヤミン一人の犯行。
…が、実はそれも嘘。
本当は、仲間の存在は嘘と見せ掛けた、仲間の存在を消す芝居。
自白も何処までが真実で、何処までが嘘なのか。
ラストは再び仲間と合流。
透明人間に戻ろう。
それは、冴えず周囲からのけ者にされていた透明人間ではなく、
サイバー世界に姿を消した透明人間として。