「.」ピエロがお前を嘲笑う 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
.
クリックして本文を読む
自宅にて鑑賞。ドイツ製、原題"Who Am I - Kein System ist sicher"。ミニチュアとCGを組み合わせたタイトルコールから、再三登場するweb内を喩えた電車内のシーン──うっかりハリウッド映画に馴れ親しんでいると、ハッとさせられる。絵面的に派手さに欠けるが、先読みを裏切り続け、二転三転を繰り返す起伏に富んだストーリーはそれを補い余る魅力に溢れ、前衛的な音楽も心地良い。欲を云えば、"MRX"の正体に意外性が無く、"FR13NDS"の扱いも乱暴気味に思えたのが残念。75/100点。
・小柄乍ら“ベンヤミン”のT.シリングは、その仕草や表情がどこかM.J.フォックスやJ.レナーを思わせ、我国でもこれから人気が高まるのではないか。強烈な存在感を表す“マックス”のE.ムバレクはF1レーサーのF.アロンソ似。"CLAY"の他の面子も悪くない。“マリ”のH.ヘルツシュプルンクに若さが感じられず、やや魅力に欠ける。
・ハリウッドでのリメイクが決まっているが、ドイツ・アカデミー賞では六部門にノミネートされている。
・そのドライな語り口やテイスト、プロットの類似性が取り沙汰される『ファイト・クラブ('99)』だが、“ハンネ・リンドバーグ”役のT.ディルホムや"BND"が“ベンヤミン”宅を捜索する際、二箇所で『ファイト・クラブ』のポスターが掲げられているのが確認出来る。
・鑑賞日:2016年2月12日(金)
コメントする