「セキュリティの最大の欠陥は、人間だよ」ピエロがお前を嘲笑う shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
セキュリティの最大の欠陥は、人間だよ
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映画「ピエロがお前を嘲笑う」(バラン・ボー・オダー監督)から。
ドイツ映画はあまり観る機会がなかったが、意外と面白かった。
特に物語終盤、トリックが幾重にも重なり、
なるほど・・そうか、と納得するが、またひっくり返されたり、
まさしく、手品を観ている感じさえした。
実は「ハッカー」なる人たちの行動・思考が理解できず、
少しでもヒントになれば、という軽い気持ちの鑑賞動機であったが、
「彼は侵入以外興味がなかった。彼のルールは3つ。
1つは、安全なシステムはない。その2 不可能に挑め。
その3 サイバーの世界と現実の世界を楽しめ。
つまり、楽しみを仮装世界だけに頼るな」の台詞で少し理解できた。
「安全」「侵入不可能」という単語を嘲笑うように、
「ハッカー」を楽しみながら「不可能」に挑戦しているようだ。
だから、本来の目的は「何も変えずに、システムを調べる」こと。
「素人は痕跡を残す」「土産をいただく者もいる」とプロを気取り、
巷で、ハッキングされたことが事件となるのは、素人だと言い切る。
自分たちの存在を認めて欲しくて、わざわざ「痕跡」を残す、
そんな気がしてならない。そしてこのフレーズで、ハッとさせられた。
「セキュリティの最大の欠陥は、人間だよ」
「ハッキングは、騙しソーシャルエンジアリングだ。
人は騙されやすく、争いを避けたがる。
この2つを利用して、欲しいものを手に入れる」と。
「人は見たいものを見る」、言い換えれば
「見たいものしか見ない」いや、見ようとしないからこそ、
そこに隙が生まれ、簡単なトリックにも引っかかってしまう。
「ハッキングはトリックさ。どちらも人を騙す」
冒頭に語られるこんな台詞が、思い出された。
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