「最後のショータイム」さらば あぶない刑事 みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
最後のショータイム
<2016年2月20日鑑賞&レビュー作成>
本作は、あぶない刑事シリーズの最終作。横浜を舞台に、定年間際の個性的な二人の刑事、タカ(舘ひろし)、ユージ(柴田恭兵)が破天荒なやり方で国際的な犯罪組織に戦いを挑んでいく。カーチェイス、格闘シーン、銃撃戦など、見どころ満載の作品。突っ込み処も多いが、この手の作品では、それは野暮というもの。
30年前のTVシリーズでは元気一杯だった主役の舘ひろし、柴田恭兵も60歳代後半になったが、おしゃれ、粋、軽妙でありながら、揺るぎない正義感を持った刑事タカとユージの活躍は健在で爽快だった。二人の軽妙なやり取りは更に洗練され完成度が高くなっていて、心地良かった。設定は現代だが、30年前のTVシリーズ当時を彷彿とさせる昭和の雰囲気がプンプンしてオールドファンには堪らなかった。
本作で主人公達が叫ぶ“ショータイム”という台詞に、エンターテーメントに徹する、娯楽性を重視するという作品コンセプトが凝縮されている。最近のリアリティ重視の刑事ドラマも悪くはないが、我々観客は、現実を知りたいからではなく、楽しみたいから劇場に足を運ぶのである。そういう意味では、リアリティではなく、娯楽性を重視した本作の作品コンセプトは懐かしくもあり、しっくりくる。娯楽としての映画の面白さを再認識できる作品である。
最後に、主役の二人は、まだまだ元気なので、ラスト・ショータイムと言わず、復活のショータイムに期待したい。
コメントする