おかあさんの木のレビュー・感想・評価
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それで整備事業はどうなったの
兄弟が次々と戦死するところにプライベート・ライアンの真似のようなものを
感じるがその当たりはまあいいとして。
木を切ってはいけない理由にはなってない。
結局職員が年寄りの昔話を聞かされて帰るだけ。
わかりますよそこは本筋じゃないんですよね。
だったら導入部に整備事業の話など持ってくる必要もない。蛇足。
画作りの部分としてどうしても仕方がないんですが
体格が良すぎる、日本兵と思えない。
ましてや南方の戦地の負傷兵たちなんて随分腹一杯に食べてそうに見える。
こういった話はあったのだろうとは思うが、
あくまでフィクションですよねそこも弱い。
過ぎたるは猶及ばざるが如しに陥る愚作
1969年発表の児童文学の実写化で、最近まで小学校の国語教科書に収録されていたというが、極端な戦争悲話の内容が残酷しすぎていて、大変疑問に思う。反戦思想に凝り固まった物語の語り口に大人の冷静な視点がなく、兎に角情に流されるエピソードの連続に創作の工夫と共感性がない。映画を観て泣けるか泣けないかの、安直な価値観で創られた映画のレベルで、これを東映という日本の大手映画会社が公開する愚かさしか印象に残らない。主演の鈴木京香はミスキャスト。女優の演技力や魅力を引き出す演出になっていない。脚本・演出が酷いが、更に音楽も頂けない。悲しさの強要は、音楽ではない。
三人の子どもを戦争で失った母親の、五男の出兵の見送りで取った行動を責める憲兵の描写に作為があり過ぎるし、行方不明にして突然帰省する状況にする脚本の説明不足が致命傷。日本に帰還した時点で、実家に一人の母親に電報くらいは打てるだろう。五男がやっとの思いで帰って来た時には、すでに母親が息絶えていたなんて、誰がこれに同情や感傷のこころを抱けるのだろうか。大人でも不快になる内容を子供に教える価値はない。
役人もたまにはいいことをする
最も泣けるところは序盤、謙次郎からミツへの恋文だった。そこからは怒涛の展開。息子ばかりが次々と生まれ、息子7人(一人は養子に出したので6人)。さらに徴兵により次々と戦地へと送られるという悲劇が描かれていました。
役人兵事係のおっさんが死神のように見える演出だった。それでも村長はじめ、村の人たちは祝って見送る光景。戦争映画にはよく出てくるのですが、これが7人の息子全員というのはあまりにも残酷だと思う。
戦争に疑問を持っている大人が数人。田辺誠一演ずる郵便局長、非国民として逃げ回る青年、二郎(三浦貴大)の上官も「生きて帰れ」と言ってたりする。どうしてもこの辺りの描き方不足のため、ただただ涙を誘うように持っていこうとする作り方が残念でならない。
序盤以外で泣けたのは、養子に出した誠がミツのところへ挨拶に来るシーンだっただろうか。ミツは当然のように実の母親であることを隠していたつもりなのに、立ち去るときに彼が「おかあさん」と呟いたところだ。
字が読めないミツ。愛国の母としても取材され、これ以上家族を引き裂かないで欲しいと思っていても召集令状による残酷な仕打ちはやって来るのだ。ところどころに戦争シーンを入れるよりも、戦争末期の狂った大本営をも描いてくれた方が真に迫ってたかもしれない。「猫ぐらい逃がしてあげたら・・・」という台詞をも引き出す、猫や馬まで供出させられたエピソードは良かった(神戸さんもナイス)。
ハンカチ不要
戦争テーマの映画は好きなジャンル。
しかし決して戦争を肯定しているのではない。
泣きたいなら、
☆男たちの大和
☆永遠の0
この二本。
現代の生き証人の語りに合わせて物語が進むと言う、どこかで観たことあるような作り。
ほかに見せ方は無かったか。
子供を戦争でトコトン失う母の悲壮感を伝えきれていない。
だけど、鈴木京香さんの演技は流石の一言。
そこだけ星5つ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐︎
良くも悪くもある映画
戦争を題材にした映画は、ハンカチなしでは見れないものばかりなのに、この映画は、なしで見れた。この理由として、同じようなシーンの繰り返しが多く、場面慣れしてしまい、その結果、感動が浅く感じられることが挙げられる。出征する息子を毎回見送り、そして、息子が死ぬと、お骨が帰ってくる。その繰り返しで、とても単調だった。出征する息子を送る場面は、数回程度にしないと、鑑賞者は、そこまで感動しなくなる、私は思う。
しかし、映画の時代背景から、戦争は残酷で、勃発してはいけないと分かった。息子は全員戦争に取られ、一人しか生き残って帰ってこなかった。このような事態が沢山起こっていたと思うと、日本は戦争のせいで狂っていたんだと感じた。自分の意見もろくに言えない、言ったら、非国民扱いされ、殴られたり、蹴られたりする。このような扱いを受けていたことが、この映画から見て取れる。
この映画は、年齢層が高めの人をターゲットにしているため、年齢層の低い人にはあまり面白いと感じないと思うが、これはどういう時代だったかがわかりやすいため、是非、戦争に対しての理解が低い若者に見てほしい。
完成度が低い
賛否が分かれると思う。
原作を読んでしまった人にとっては、正直、完成度が微妙で、一部の設定なども曖昧になっていると感じる長い映画だった。その理由の一つ目として、木を切ろうとしていた業者や、その人を案内していた村人などについての説明がなかった。二つ目に、原作の終盤では終戦後の生活について触れているのに、映画ではたった一言で済まされていたため、メッセージ性と鑑賞後の満足感が薄くなっていた。そして、見送りのシーンが数回繰り返されているため、おそらく途中で退屈する人もいるだろう。
長所として、おかあさん役の鈴木京香さんの演技力が見事だった。
子供たちが戦死していくことに対する母親の悲しみが伝わってくるし、見送りのシーンの演技には圧巻された。また、非国民に対する扱いも一部あったので、日本の悲惨だった現実にはさすがに心が痛くなった。
そして、父親が登場しているように、一部の人物設定が原作より詳細になっているので、原作を読んだ人も、時間があれば一度鑑賞してもいい作品だと思う。
長い
僕はこの映画の原作は非常に感動するが、脚本は無駄な部分が多すぎるため映画としての価値は低いと思う。
無駄な部分が多く、正直飽きる場面もあった。例えば、登場の必要性が低い人物が色々いた。おかあさんが次郎の行方を探る時に県庁で会った男は最初逞しかったのに、次に会った時はおかあさんの家で隠れている場面だった。家にいることによって現実性がなくなるので、映画のためにはならないと思う。
加えて、毎回おかあさんが戦争に行く息子たちを見送る場面も無駄だと思う。1回や2回は良いけれど、5回ぐらい見送る場面があった。この場面はおかあさんが最後に息子たちを見る時なので重要だと思うけれど、さすがに5回も見たら最初にあった感動も消えてくる。
さらに、五郎の妻の視線から伝えられていることも 変えてもいいと思う。ナレーターからの視線でも映画のメッセージである「戦争は悪い」は十分に伝わると思う。だから、最初の老人ホームのシーンも必要ないと思う。7つのキリの木を切る理由や切りたい人はどういう人物かわからないことも必要ない理由である 。
これは戦争に行かなかった国民の恐怖と孤独さがわかりやすい作品であるが、僕は必要性がない場面がたくさん会ったので飽きてしまった。
戦争はまんず弱いものにしわ寄せがくるだに
映画「おかあさんの木」(磯村一路監督)から。
「小学校の国語教科書で長年にわたって愛され続けてきた」とはいえ、
なぜ今頃、この作品が映画化されたのか、理解に苦しんだ。
「戦争で引き離された母と息子たちの普遍的な愛」をテーマにした映画は、
今までにも何度も観てきたし、今回は、さらに驚くような展開もなく、
この作品で何を伝えたかったのか、分からないまま終わった気がする。
そんな中で、もしこの作品を語るとしたら、
戦争が敗戦に近づき、人間だけでなく、生活品や牛・馬という家畜まで
「お国のため」を理由に差し出さなければならなくなったとき、
大切な牛を引き連れた、訛の強い老人が、呟いた台詞。
「戦争はまんず弱いものにしわ寄せがくるだに」が印象に残った。
7人の男の子を産み、その7人とも戦地に送り出さなければならなかった母、
まさしく、生活弱者の母子家庭にしわ寄せがいったとは言えないだろうか。
子どもが出兵するたびに植えた木が大きく育ち、その木に向かって
「帰ってこい、誰か帰ってこい」と独り言のように呟くシーンは、
無償の愛(アガペー)だからこその、辛い台詞に聴こえた。
特に母親にとっては、自分のお腹を痛めて産んだ子として、
父親には到底及ばない「愛情」があるからこそ、
何年経っても、こうした映画が作られるのだろう。
それにしても・・なぜ今頃、この作品が作られたのか、まだ疑問である。
二度と悲劇を繰り返してはいけません
ビックリするぐらいオーソドックスな映画でしたが、憲法改正で戦争が現実味を増している今だけに、物凄く伝わってくるものがある映画でしたね。
二度とこんなことを繰り返してはいけない、そう改めて語りかけられているようで、とても胸に響くものがありました。
戦争を知らない世代が大半となってきた今の時代だからこそ、見るべき映画なのかもしれません。
この映画は母目線、戦争に行った者ではなく、残された者の視点で描かれていたのが特徴的でした。
最愛の我が子7人が、全て戦地へ連れて行かれた母の心情を考えると、胸が苦しくなってしまいましたよ。
この映画の主人公に限らず、日本全国どこにでもあった話と考えると、本当に狂っていた時代としか言いようがないですね。
しかも子供に生きて帰って来いと言ったら非国民扱いなんて、ありえなさ過ぎる。
国に命を捧げて万歳?息子の戦死で母は軍神の母?そんなのちっとも嬉しくないのに、喜ばなくてはいけない時代だったんですね・・・悲しすぎます。
鈴木京香が息子の足にすがりつくシーン、息子の無事を願って桐の木を植え語りかけるシーンは、物凄く印象に残りました。
まあちょっと綺麗過ぎるお母さんなのはご愛嬌と言ったところでしょうか。
やや展開が単調だったのと、ラストが悲劇的過ぎたのは気になりましたが、戦争の悲劇を忘れない為にも、見ておいて損の無い映画ではありましたね。
祈りの木。
いつから国語の教科書に載っていたのかは分からないが、
この話は私ですら微かに覚えている…戦地へ送り出した
子供の無事を祈って一本一本、桐の木を植えて帰りを待つ
母親の話だ。あらすじだけで泣けてくるのは、その結果が
分かるからで、今でこそ観ておいた方がいい作品だと思う。
なぜ当時の日本は勝つと信じて息子を国に捧げていたのか。
無知であることの恐ろしさと、大切な命を奪われることの
理不尽は今作の出来云々に関わらず、親なら誰しもである。
まさか命を失うとは思わずに、万歳万歳と息子を送り出す
母親の境地。戦死したら軍神扱いされ恨むこともできない。
軍神の母として取材を受ける皮肉もよく描けている。
鈴木京香が演じるおかあさん・ミツは、文字すら読めない
無学な女だったが、7人もの息子を早世した夫の分も育て
あげた立派な日本のおかあさんである。一人は子供のない
姉夫婦の養子として捧げるも実の母だと知っていた息子は
出征前に心の中で「おかあさん」といいながら挨拶に訪れる。
せめて一人だけでもと祈るが、日に日に劣勢となる日本軍
の様子や手紙が滞る場面などすでに前半から嗚咽が漏れる。
桐の木を植えては、一郎、二郎、と話しかけるミツの方言
が優しく響く場面や、語り部となるサユリの五郎への想い
などホッとできるエピソードもあるが、戦争はやはり酷い。
一家の男手を全て召集するなんて、日本にはプライベート
ライアン的な措置(あれも凄かった)はないのかよと思うの
だったが、あった。ちゃんとそれを指示する上官もいたが、
戦況や本人の意志もあったのか、終に敗戦まで強制帰還は
されない。おかあさんは桐の木となった息子達を最後まで
待ち続けるが…。時代が違ったらミツは大勢の孫に囲まれ、
幸せな老後を送れたに違いないのに…と思うほど辛くなる。
(あの頃の庶民の祈りが活かされてると思えない、今の日本)
時間の無駄
うーん、どうしちゃったのこの映画?期待していたのに残念。
いい役者もいるのに、無駄遣いされた感じ。
子どもたちの可愛らしさも描けていない。意味なく美人なおかあさんはどう?もっと庶民的な方がよくない?郵便局の人との絡みにドラマもない。軍隊での生きれ方針とそうでない差もない。淡い恋心?も深みがない。ドラマ性もない木。
たぶん、私のランキングでは年間最下位を記録する気がする。
東映東京撮影所製作、純正東映作品
かなり地味な日本映画。7人の子を産み、若くして夫が他界した後、女手一つで子育てに励むものの、赤紙で兵隊に召集され、うち6人が戦死。残り一人が死に物狂いで帰国するが、タイミング悪く母親が病死。結局、誰一人として息子と再会することなく他界するというまさかの展開に気分がどんより。
それでもこういう話は大好物で、戦争の理不尽さを超越した主義・主張にとても感動した。
べらぼうに面白いわけでもないが、戦争のせの字でさえ知る術のない世代にとって、映画とはそれらを疑似体験できる貴重なモノだと再認識。所詮、作り物なので、オーバーでもよいので振り切って問題作を連発してほしいものである。
ちなみにこれを製作したのは東映東京撮影所で、久しぶりに純粋な東映印の映画を見ることができて大満足。
せつない
子供が出征して戦死することが名誉になるという洗脳を、国民全てがされていた時代に、度重なる悲しみによって洗脳が醒めつつあった話かも…。
おそらく多い少ないの違いはあるものの、その洗脳が醒めた時点で、どの家庭でも起こった悲しい話だと思う。
今、おかしいと声をあげられることの重要性がよく分かる。
全32件中、1~20件目を表示