「才能は、放っておいたままでは役立たず。努力して極めてこそ、生きるのだ。」ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
才能は、放っておいたままでは役立たず。努力して極めてこそ、生きるのだ。
ひとつのことを極めることは、努力をもってして成しえることができる。そして、それを手放すことになっても、けして無駄ではない。極めた経験が、その人間の自信になってその先の人生の成長の手助けとなるのだから。ステットはそれがわかっているから、取り乱すこともなく、前を向いて生きていけるのだ。
それを、カーベル(ダスティン・ホフマン)が教えてくれた。
ほかの教授陣も、大人とはどういうものか、世間の汚さも含めて教えてくれた。
ステットは、ひと回りどころか、人が変わったように成長できたのだ。
それが、美しい歌声とともに、鑑賞後の余韻に響いてきて、すがすがしい気分にさせてくれた。
ただ、僕自身の「セッション」の後遺症のせいで、いつカーベルが、悪辣な仕打ちをはじめるのかドキドキしながらだった。余計な心配だったが。
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