「腹黒純情ヒロイン」ヒロイン失格 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
腹黒純情ヒロイン
もはや日本映画界を席巻しつつあるヒット企画、少女漫画の映画化。
ハリウッドがアメコミなら、日本は少女漫画だ!
今日も各映画会社のプロデューサーは、ヒットしそうな少女漫画を探して読み耽ってる(筈)。
いつもながら原作は全く知らんが、別冊マーガレットで連載された人気作。
幼馴染みの利太に10年も片想いしているはとり。ある日、利太がクラスのブちゅ女子に告白されて付き合う事に。超ショックのはとりの前に、学校一のモテ男・弘光が現れ…。
惚れた腫れた、三角関係に四角関係。
前半はコミカルに、後半はキュンキュン。
女子憧れのシチュエーションもたっぷり織り込んだ、少女漫画の王道。
特に前半が、三木孝浩作品のような繊細で透明感ある作風とは真逆の、かなりのコメディ調。遊び過ぎてコントみたいになったりも。
このノリに呆れたりもしたけど、それでも最後まで見れたのは、桐谷美玲の魅力に他ならない。
「女子ーズ」で開花したコメディエンヌぶりがさらに加速!
変顔、坊主頭、ガンとばし、悪魔顔まで披露。
笑って、泣いて、怒って、恋に戸惑ってトキめいて。
桐谷美玲がハイテンション好演。
役柄もユニーク。
10年も片想いしている純情ヒロイン…NO!
利太の彼女に相応しいのはあたしだけ、あたしこそがヒロイン!…の超自惚れ、自信過剰。
勿論自分が可愛いと思っているブリっ子。
ブちゅ彼女にあからさまに敵意剥き出し、心の声でディスりまくったりと、少女漫画らしかぬ腹黒ヒロイン。
「君に届け」で演じた、恋のライバルのくるみを主人公にしたような。
元々原作者が桐谷美玲をイメージして描いたというはとり。
現在20代後半の桐谷美玲が高校生ってのはさすがに…でも、可愛いからいいや。
ストーカー一歩手前、ちょっとウザいけどキュートな腹黒ヒロインは、大好きな利太の為に今日も大暴れ!
山崎賢人やら坂口健太郎やら、若手イケメンの顔が全員同じに見える。
山崎が塩対応イケメン、坂口がちょいチャラ男イケメンなんだけど、はとりがそこまで好きになるほどの魅力は伝わらず。
この二人より、ブちゅ彼女を演じた我妻三輪子の方が印象に残った。
こういう少女漫画が実写化される時、ヒロインだけじゃなく周りの娘も皆可愛い非現実的が当たり前の中、確かにブちゅ(褒め言葉)。
彼女こそ、少女漫画王道の純情ヒロイン…?
桐谷美玲は童顔だから百歩譲るとして、福田彩乃が親友の高校生役の方が無理ある。
竹内力のコワモテ、中尾彬と六角精児の登場(使い方)にはウケた。
オチは大体予想出来た。
ずっと想い続けているヒロイン。これが答え。
異色のヒロインのラブストーリーだけど、一人のヒトをずっと好きでいる一途な想いには天晴れ。
実は本当は、純情ヒロイン。