劇場公開日 2015年9月19日

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「オトナだってきゅんとなれます。」ヒロイン失格 年間100本を劇場で観るシネオさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0オトナだってきゅんとなれます。

2015年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

もちろん少女コミックの原作も知らず、
予告編のみの知識です。
お話はステレオタイプの、
青春恋物語。
予想が出来る韓流ドラマのような、
ベタ感だよ。
けど桐谷美玲さんの頑張りで、
2時間をしっかり楽しく観れる。
変顔のオンパレードも、
可愛いから嫌なカンジがしないしね。

中盤までオーバーな演技に
コメディ演出が強くて、
ずっとこの調子かなと思ってたら、
いやいや終盤の等身大な高校生の切なさ。
様々な女子高生の起伏表現を、
ユーモラスからシリアスまで描いて見事でした。
彼女の映画はツナグしか観たことがなかったけど、
器用な女優さんになったね。
メリーゴーランドのシーンは
感情が溢れ出していて良かった。
おじさんもすっかり
高校生の頃にフィードバック(笑)
オンナノコを泣かした
不器用な恋を思い出して、
不覚にもホロり。

山崎賢人さんは4年前の映画デビュー作、
「管制塔」以来でした。
あの時も高校生役だったけど、
すっかり大人っぽくなったんだね。
今回も抑えた演技のキープは、
難しかったでしょう。
観客は表情の違いで、
ストーリーを転がしてしまうからね。
繊細な表現力が良かったです。

あと確信犯的な脇役にもやられた。
高校生無理あるだろーってカンジなんだけど、
それもいちいち楽しい。
サプライズな出演者もね。

マンガ演出も、
このくらいやり過ぎぐらいが面白い。
最新のVFXを駆使しておちゃらけるのは、
いろんな発見があって感心したよ。
キューティーハニーあたりから始まった、
漫画世界の実写表現。
漫画文化やアニメが確立された
日本ならではの感覚は、
グローバルでもウケそうだね。
バクマンも楽しみだよ。

全体には、
監督のきっちり観客を楽しませようとしてる姿に、
とても好感が持てました。
ハリウッドのように予算がかけられない
エンタメ邦画では、
とても大切なことだと思う。

現役ティーンは、
ゲラゲラしてキューンとなれる、
王道高校生青春もので大満足。
けどオトナも年齢問わずピュアだったあの頃に戻れて、
以外に素敵な時間が過ごせますよ。
うんうんそんな楽しみ方も、
邦画の魅力だよね。

年間100本を劇場で観るシネオ