グローリー 明日への行進のレビュー・感想・評価
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スキントーン
本日の作品は、アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者として活動した、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアとその活動について描いた作品をご紹介します。
時代も時代、ようやく人種間の問題や男女間の問題などが、映画界でも話題になるようになってきたここ最近。このように、これまでにその問題にぶつかり、戦ってきた人を描く作品は、これまでもまたこれからもどんどん増えていくでしょう。
我々日本人は、このような世界的なテーマに触れるのが遅い習慣がありますが、オリンピックなどの関係もあり、私たちがこのようなテーマを目にする機会も増えることは間違いないです。
そこで、今作を通してみていくのは、黒人のキャストを映す撮影方法です。
撮影監督が最も重要視する要素として、スキントーンというものがあります。いわゆる肌の色で、この肌の色をどう引き出すのか、またどう隠すのかを工夫することで、そのキャラクターの人間味を視覚的に表現することができるからです。
我々は日常的に生活していて、周りの環境に準じて視覚要素を調整しているので、あまり気にすることはありませんが、照明によって、またカメラのセッティングによってスキントーンは大きく変化しますし、それによってキャラクターにも大きく変化が出てしまうということです。
今作では、主要なキャラクターがアフリカ系アメリカ人で、黒人の方が多かったですね。撮影のテクニックとして、白人の人の照明、黒人の人の照明、アジア人の照明、中東の人の照明、というステレオタイプというのは昔からあります。それは髪の色なんかでもそれぞれ異なったものがありますね。
今作の特徴としては、ストーリーの主軸として、壁に立ち向かう人々の強い意志、というものがあり、それを撮影で表現するということに大きく挑戦していました。
特に印象的だったのは、輪郭を型どるハイライト。
キャラクターの顔全体を照らすのではなく、半分だけ、時には1割だけハードライトで照らすことで、くっきりとした輪郭が浮き上がり、さらには光が当たってない部分はディテールの全くないシャドーが支配します。
これは、黒人の人のスキントーンの特徴を利用し、心に宿る力強さだったり、人と人との絆の強さだったりを、潜在的に感じ取らせるような照明です。
特に室内のシーンは極力シンプルなキーライトだけにするなど、シンプルだからこそなせる真っ直ぐさを画面から見て取ることができます。
このように、撮影監督は大きな枠組みから、小さなディテールまで挑戦を繰り返す生き物です。笑
毎回の作品で新しい撮影監督に出会えること、また別の作品でさらなる躍進や挑戦を大きな画面で見れる事だけでも、映画を映画館で見る楽しさにつながりますよね。
史実
セルマの行進で何が起きたのか・・・
ノーベル平和賞の受賞者にも関わらずキング牧師の映画は製作されることはなかった。
遺族が演説の一言一句のチェックのみならず、ストーリーにも色々と口出しをするらしい。
そして今作、とうとう遺族の了解を得ずの製作というので期待はしていた。
今さらキング牧師の偉人伝にしなかったのは好感を持てた。
タイトルも原題は「Selma」でストーリーの中心はセルマの行進だ。
となるとあの有名な行進で何が起こったのか!?
自然と興味が湧く。
数々のサンデーブラディサンデーの中でも有名な事件だ。
キング牧師の戦法は非暴力。
肉を切らせて骨まで断たせてそれを喧伝する。
右の頬を打たれたら、その消えない傷を血を、相手に向けろ、そして左の頬を差し出せと指導する。
マルコムXはそんなのは戦法とはいわないと痛烈に非難する。
そんな非暴力VS超暴力の繰り返しが続いた(2015年の現在でも続いている)。
しかし黒人達が回れ右をし、白人達が道を譲った。
あの瞬間に何が起きたのか⁈それが知りたかった。
論理的な見解が不可能なら、感情的な言葉でも、偏見でも良い。
偶然必然、神の思し召し、裏工作?、単なる人とただのヒトに戻ったのか?
それを観客の想像力に委ねるというなら、当事者たちのインタビュー集にして欲しい、勝手に判断するから。
セルマというタイトルにするなら監督や製作者の意思を見たかった。
せっかくこの作品を製作するという強い意志は感じられたのに、、。
ただそれだけ。
エンタテインメントなくても、緊張できるし、楽しめる
ハレルヤ!
キング牧師の名前は知っていたけれど、ノーベル平和賞の受賞者と最近知...
グローリー、ハレルヤ!
開始7分ちょっとで衝撃映像。特に説明もないので余計怖い。その後の有権者登録のシーンも怖いが。
ここでもフーヴァー長官暗躍していることを終始アピール
キング牧師とマルコムXが険悪とは。
「人々が傷つき死ぬよりも
私は憎まれ役を選ぶ」2日目のセルマの行進は中止。
その後の行進は当時の記録映像が。
マーチンルーサーキングJr、13年非暴力を貫き公民権運動を牽引。この事件の三年後暗殺される。キング牧師が特別すごい人だったわけではない、ということか。
オスカー受賞したエンディングテーマはコモンとジョンレジェンドの曲
インディアン虐殺の様な血の日曜日での暴動
史実として重要な話
人々ではなく、ひとりひとりの物語。
日本にいると、つい人種問題という社会問題と歴史については疎くなってしまう。黒人たちの有権者登録を求めた公民権運動の最中に起きた「血の日曜日」事件をテーマに、映画はもう一度人種と人権を問い直す。1965年。たった50年前のことだ。わずか50年前まで、ただ人種がそうであるというだけで、国民が当たり前に持つべき権利を妨害されていたのだから、人間は実に愚かしいし、50年経ってもまだまだ問題は消えていない現実に、目が覚める思いがする。
日本人が海外で差別を受けることもよくあることだが、アジア人が海外で受ける差別というのは、「見下される」「バカにされる」「相手にされない」というものが多いように思う。しかし、当時アメリカにおいて黒人が受けていた差別はそんな生易しいものではなく、「黒人なら暴行をはたらいてもいい」「黒人なら殺してもいい」というレベルのものだから悍ましい。そしてその暴力にたいし、「非暴力」で対抗するキング牧師と人々の気高さに感動する。
キング牧師が登場する映画ではあるが、安易に物語の中心にキング牧師を立たせることはしなかった。この物語の中心は、セル間の大行進に関わった一人一人である、という解釈で映画が作られているように感じられる。よってこれはキング牧師を称える映画ではないし、歴史的な出来事を記録するものでもない。権利を求めて活動した人々や、迫害され続けてでも何もできなかった人、白人でも理解を示す人、黒人でも違うことを思う人、そういったすべての市民一人一人を主人公にした市民の映画であり、その主人公たちが意志をもってセルマに集い、あの大規模なデモ行進と、歴史の変わり目に繋がったのだ、と言う風に映画は捉えている。この世に生きる、一人一人のための映画というふうに。
ラストのキング牧師のスピーチは、演者も作り手も完全に熱が上がって、完全に映画を超えたシーンになっていた。そして最後に流れる「グローリー」で完全にやられた。そしてまた日本国民として、考えさせられる部分も大きかった。
1965年3月のセルマ行進を描いた。黒人差別という圧倒的な不公正と...
キング牧師の日の月に見れてよかった。
投票権を求めた行進
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の率いる、投票権を求めた、セルマ大行進の実話。
3月21日日曜日、約3,200人が約80キロ先のモンゴメリーに向かって出発した。彼等は1日に12マイル (19 km) を歩き、夜は近くの野原で眠った。4日後の3月25日、モンゴメリー市に到着するまでに、その数は約25,000人にまで膨れあがり、最終的的には時の大統領Lyndon B. Johnson(リンドン・B・ジョンソン)は議会で演説し、選挙権行使妨害防止法案を提出権行使妨害防止法案を提出させた。
大行進に辿り着く背景が重たく考えさせられた作品。作品として鑑賞したが、事実であることを忘れてはいけない。
マルコムXとも時代が重なり、マルコムXとの確執がかなり気になった。マルコムXを再度観たくなった。
彼には夢がある
1965年、マーティン・ルーサー・キングJr.牧師を先導に黒人の選挙権を求め、アメリカ公民権運動の転機となった“セルマ大行進”を描いた実録ドラマ。
ハリウッド映画で始めてキング牧師を真っ正面から描いた事でも話題になった。
…とは言っても、日本人にとってはなかなかに馴染み難い題材。
人種差別は今も度々映画やニュースでも取り上げられるが、映画の核である公民権運動やセルマ大行進などは恥ずかしながら初めまして。
キング牧師は勿論知っているが、人種差別撤廃を訴え、「私には夢がある」の名言、そして暗殺された事くらい。
しかし、ほとんど知識ゼロでも、これは見応えあり!
選挙権を求める525人の黒人と白人警官隊が衝突した“血の日曜日事件”を発端に、やがて賛同者は2万5000人にもなり、アラバマ州セルマから州都モンゴメリーまで80キロの大行進へ。
アメリカの歴史上伝説的でありながらも、苦悩しながらも信念を捨てない誇り高い一人の人間として描かれたキング牧師。
ドキュメントのような力強い演出と深い人物描写、黒人女性監督エヴァ・デュヴァネイの手腕は素晴らしい。
キング牧師を演じたデヴィッド・オイェロウォもカリスマ性たっぷりの名演。
演説シーンなんて引き込まれる!
アカデミー賞では作品と主題歌の2部門ノミネート。(主題歌賞受賞)
ノミネート数が少なすぎる!
作中で度々描かれる白人の黒人への非道な暴力。
白人知事のあからさまな差別発言。
今だったら世界的な大問題になるだろうが、当時は公然の場で振るわれていた。
しかも、僅か半世紀前の出来事!
力での押さえつけに力で抗っても終わりのない負の連鎖でしかない。
非暴力は何にも勝る平和と平等と信念の訴え。
ノーベル賞受賞、公民権運動での勝利など多大な功績を残しながらも、1968年に暗殺。
「私には夢がある」と語ったキング牧師にとって、志半ばだったかもしれない。
が、今では人種の壁を超えた友情や恋愛も珍しい事ではない。
それでもまだまだ人種問題は根強く残るが、キング牧師の夢は現実のものになりつつある。
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