劇場公開日 2016年1月30日

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「実在の凶悪犯罪者を、堅実に描き切っている。」ブラック・スキャンダル 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0実在の凶悪犯罪者を、堅実に描き切っている。

2024年11月17日
PCから投稿

ボストン南部に実在したギャングのリーダー、ジェームズ(ジミー)・ジョセフ・「ホワイティ」・バルジャーを描いた犯罪ドラマ。ジミーは、旧知のFBI捜査官ジョン・コノリーを取り込み、凶悪犯罪を重ねていく。

とにかく、ジョニー・デップの特筆すべき存在感に尽きる映画だ。凶悪犯罪者を、実に冷酷で非情に演じ切っている。ジョニー・デップ自身のキャリアでも、最高の演技の1つだ。

同じ人物をモデルにした映画に『ディパーテッド』がある。あちらのほうが大胆で、ダイナミックで、ドラマティックだ。しかし本作も、非常に手堅く堅実に、物語をしっかりと書き込んだ映画だ。

海外では、『グッドフェローズ』みたいだという指摘もあった。十数年の逃亡生活に、触れてないことへの不満もあった。だが、衝撃的な人物の歩みを、実直にストレートに描いた犯罪ドラマだと思う。

瀬戸口仁