キングスマンのレビュー・感想・評価
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スーツ姿でのアクションがとてもかっこいい!
グロテスクなものが苦手な私…。鑑賞するかどうか迷いましたが、コリンファース大好きなので見ました。
結果、最後まで見れました!途中目をそらすシーンは何度かありましたが、そういうシーンは大抵テンポよくポップな感じに仕上がっていたので、大丈夫でした!
全編通してアクションなのにスーツ姿ってところが紳士的でお洒落なのに対し、映像はがさつというかド派手で、そのミックスされた感じがとても良かったです。
細部にもこだわっていて、小ネタが沢山盛り込まれています。日本人には馴染みのない文化がベースになっているので、鑑賞後に他の人のブログなどで答え合わせするのも楽しいと思います。
個人的には、コリンファースが教会から出た後に見せたあの切ない何ともいえない表情が頭にこびりついてます。あのシーンを一気にシリアスに仕上げてしまう表現力は、コリンファースならではです。
スマートにかっこいい!!
かっこいい!
理屈と感覚の矛盾
この映画の最大の魅力は、楽しい殺戮シーン、だろう。
理屈で考えれば反吐が出るほど気色悪いシーン。教会で味方が一般市民を次々に殺戮していくところなど、ひどい。
でも、なぜか笑ってしまうほど楽しくて爽快で、後味も悪くない。はっはっはw! もっとやれ!w そんな感じ。
理屈と感覚が大きく矛盾していて、その理由がよく分からない。
最後に敵側の組織が次々に爆死するシーンも、普通の感覚の人間ならそのひどさに吐いてもいいくらいなのに、味方側はにこやかに笑って、「正義は勝つ!」みたいな終わりかた。
この映画は面白い。ばつぐんに面白い。面白いけど、面白く観れてしまうことが怖い。
裏のテーマに「差別」があるのも不気味だ。
差別を肯定しているようだったり、否定しているようだったり、容易には映画の真の狙いが読み解けない。
一見、「差別なんて何も関係ねー! 俺たちに思想の主張なんてねー! 単に現実世界のモラルのタブーを破りまくった爽快感だけを追求したんだ!」という映画のようにも見える。
でも、この映画の殺戮シーンの爽快さはたぶん、「気にくわないやつ、嫌いなやつ、気持ち悪いやつ、いい気になってるやつ、裕福なやつはみんなぶっ殺されろ!」という願望を表したもののように見えてしまう。
気のせいって言われそうだけど、やっぱりもやもやするところ。
カッコウいい!
茶化しちゃいるけど温故知新。2010年代の純英国式スパイアクション。
『キック・アス』『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』のマシュー・ボーン監督最新作。
イギリスの高級仕立て屋の地下深くに本拠地を置く諜報機関“キングスマン”。
その凄腕スパイと、彼にスカウトされた下町育ちの青年が世界的な陰謀に挑むアクション大作。
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クールでスピーディなアクション満載の本作だが、
なんつってもコリン・ファース演じる最強英国紳士ハリー・ハート がカッコ良すぎ!
言葉遣いも所作も絵に描いたようなジョンブルなのに、いざ戦闘となると鬼のように強い。
コウモリ傘をあんなにカッコ良く使いこなせるのは彼かジャッキー・チェンくらいのもんだろう。
いつもガチガチのマジメ面なので、怒ってるのか怒ってないのかイマイチ分かりづらいのが欠点か(笑)。
主人公である新人エグジー君もきちんと大活躍するのだが……ハート氏のインパクト強過ぎ。
とはいえ、エグジーが受けるスパイ訓練の数々はユニークだし、他の若手スパイとのやりとりは学園もののようで楽しい。
サミュエル・L・ジャクソン演じる大富豪も、恐ろしいけどなんか笑える。
悪ふざけの延長みたいなノリなんだよね、常に。というかジャクソンさん相変わらずハッチャケてんなあ。
その部下である斬殺義足ガールもカワイイ顔して強烈な敵キャラ。
元ネタはたぶん仕込み靴履いたドイツ人の婆さんだと思うんだけど、ああも変わるか。
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小洒落たトークをするダンディなスパイが一瞬で殺されちゃったり、
いかにもジョンブルなキングスマン達と下町の若者のギャップも著しく、
英国式スパイの“時代の遺物”感バリバリ。
飼い犬の名前がJB(ジェームズ・ボンド)じゃなくJB(ジャック・バウアー)だとか、
仇敵もザッツ・アメリカ感満点のファンキー黒人大富豪だったりとか、
イギリス人の思考が色々とアメリカナイズされてきちゃってるという皮肉なんだろかね。
とまあ、かつての『007』のような古風なスパイ映画を茶化しつつ、
そんなスパイ映画からの正統な流れとして本作があるとしっかり思わせる出来なのは面白いし、
最後は旧き良き「Manner Makes Man」の精神できっちり仕事を終えるあたりが作り手のイギリス愛なんだろう。
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という訳で、アクションもユーモアもてんこ盛りで面白かったのだが……
後半あたりからの展開がちょっと……。
個人的な好みというかヘンな部分で堅苦しくて申し訳ないのだけど、
自分はバイオレンス描写がポップな感じに演出されるのがあんまり好きじゃない人種。
(実は同じような理由で同監督の『キック・アス』も世間一般よりは評価低め)
あのカラフルな脳ミソ花火大会のシーンとか、教会でのコリン・ファース100人組手シーンとか、
「そう来たか、面白い」とは思いつつもそのえげつなさにやや引いてしまった。
あ、えげつなさと言えばあの王女様にもドン引き。ラストにあんなド下ネタぶっ込むってのはどーなんだ(苦笑)。
あと、愛着を持ち始めてたキャラがかなりムゴい形で退場するのも割とショックだったりする。
その紳士っぷりに惚れ惚れさせられるコリン・ファースにも、冷徹だが親しみ易い風貌のマイケル・ケインにも、
この映画の作り手はノー・マーシィ。どっぷり汚れた形で退場させてしまうんである。
『キック・アス』でも同じような流れがあったから、そういう流れが
きっと作り手の好みなのだろうが……自分の好みにはちょい合わず。
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以上。
個人的な好みに合わなかった部分もあるのだけど、満載のキレキレアクションや
愉快なキャラクターはものすごく楽しめたので間違いなく平均以上のアクション作。
観て損ナシの3.5判定で。
<2015.09.12鑑賞>
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