ロスト・リバーのレビュー・感想・評価
全16件を表示
思い出の虜囚
この映画はデトロイトを初めて訪れたときの、ライアン・ゴズリング自身の衝撃がベースになっているらしい。 凋落したとは言えアメリカ第4の大都市だったこともあり、エミネムのような時代を代表するアーティストを排出した街でもある。 栄華を極めた伝説の街。外国人だからこそ受ける衝撃、というのもやはりあるんじゃなかろうか。 実際、「ロスト・リバー」のさびれっぷりはヤバい。廃村レベルの過疎だ。 住人はどんどんいなくなり、街は街の体裁を保てないほど荒れて、それなのに主人公一家は街から出られない。 聞いた話だが、思い出というのは場所に紐付いているのだそうだ。立ち寄ればふと思い出す、他愛ない会話やちょっとしたアクシデント、あの時の気持ち。 なるほど「ロスト・リバー」のビリーは祖母から受け継いできた家に執着するがゆえに、街からも出られず苦しい生活に陥っているように見える。 冒頭に出てきた街を去る老人も「ここには思い出が沢山ある」と言い残した。 ラットの祖母なんかは思いっきり思い出にどっぷり浸っている。 もう1つ挙げるなら、「水に沈む」というのは不安や無力感を感じさせる。中身の見えない心細さ、生存できない空間への恐怖、もう元に戻らない諦め。 貯水池に沈んでいる街は、思い出を捕らえて離さない。この街の「呪い」とラットは言うが、確かに一見合理性のない執着は「呪い」と言っても差し支えないように思う。 リアルの印象をファンタジー溢れる「呪い」に落とし込み、何故だか目が離せない不思議な魅力があった。 だだ、もうちょっとこう、「キレ」みたいなものが欲しかったよね。映像とかとても幻想的で綺麗で、心地良いんだけど、むしろちょっと不快感があるくらいの方がストーリーを進める推進力になったんじゃないかなぁ。 結構好みな映画なんだけど、いまいち物足りないのはそのせいかも。
『リ・リ・リンド』は残念なことだが失敗作
なんでこう言った訳が分からない映画が作られるのだろう?
多分近未来みたいな事言いたいのだろうが『エクソシスト』見たいな音楽を使って、また、どこかのカルト教団の話になってしまっている。
中南米から来た運転手が『アメリカはこんな国だと思いませんでした』って台詞があるが、世界を回れば分かるが、少なくとも発展途上国という国々がアメリカとの差は大きいと見るべきだ。勿論、我が国日本の方が遥かに良い国だと思うが、残念なことだがアメリカの核の傘の下にいるからだと思うべきだ。
『リ・リ・リンド』は失敗作♥だが、『ル・ル・ルンド』に期待したい。まぁ、無理か!?
シアーシャ・ローナンってあの青い目の少女?イメージを壊す映画だが、どこに出ていました?もう二度と見ないから、確認しようが無い。キャリアを積むには大変な事だ。少なくとも、アメリカでは。日本は犯罪者でも厚生すれば容認してくれる位に懐の深い業界だと思う。『芸の為なら身を滅ぼしても積むぞ!!』これが浪速のど根性!!!
美しい絵を撮りたいなら、まずはシアーシャを美しく
個人評価:2.8 俳優ライアン・ゴズリングは大好きですが、本作はやりたい事だけをした、1人よがりの作品としか見えない。デヴィッド・リンチの様な世界観を出したいが為に、カルトな絵と物語の辻褄を合わす為に、呪いを使ってしまう脚本力の無さはがっかりだ。 絵として美しい映画を撮りたいのであれば、まずは宝石の様なシアーシャ・ローナンをもっと美しく撮らなくては。
R・ゴズリングの趣向を感じる監督作
映画「ブルーバレンタイン」に「ドライヴ」などスタイルにセンスのある役者だと思っていたがR・ゴズリング自身にセンスがある人物と理解出来る監督作。 映画のLOOKに映像と特に色彩感覚、怪獣映画や恐竜の頭に少々のグロ描写と。 そんなんが好きなんだなぁとヤッパ個人的に好きだワ、役者としても人としても。 ストーリーは静かにラストは単純に雑な感もするが頑張れゴズリング。
ガオー
ライアン・ゴズリング初監督作品。
役者としての彼はたくさん見てきたが、その特異性は監督業でも遺憾なく発揮されている。
荒廃しゆく街「ロスト・リバー」を舞台に、困窮し先の見えない生活から抜け出そうと藻掻く少年、少女、母親の3人の物語。
登場人物は皆「呪い」を抱えている。
昔から住んでいる家を手放す事ができずローンの支払いのため怪しげなショーで働こうとする母親ビリー、ダム建設の際の事故で先立たれた夫が忘れられず以来言葉を発さず結婚式の映像を繰り返し見る老婆、その老婆から離れることができず唯一ネズミを愛でることで自分の居場所を確保している少女ラット。
但し、「呪い」は彼らを縛り付けているが、彼らは決して「呪い」に苦しんでいる訳ではない。「呪い」は彼らの生活の一部となり、生活に溶け込み、その存在を示すことなく彼らをその先へ進ませようさせない足かせとなっている。
そして新たに、少年ボーンズが食い扶持としていたスクラップ集めをギャングのブリーに邪魔をされ「呪い」に縛られる事になる。
彼にとってみればビリーがローンのために働くことも、ラットの鼠(ニック)がブリーに殺されてしまったことも、全てブリーにスクラップ集めの邪魔をされ、目を付けられた事が原因だと思ったのだ。
彼はもうどうしようもなく、「湖の底から何かを持ち帰ればこの呪いを解くことができる」と考え、意図せず一石三鳥の離れ業をやってのける。
ラスト、彼らを「呪い」から解いたモノがタクシーの上に乗っけられている。
それはお守りとなり、彼らの前途に潜む「呪い」を威嚇し続けるのだ。
_
全編に渡り重苦しさと息苦しさが漂い、赤と青と黒の配色(今回からは紫も加わりました)にも垣間見える狂気が正に「らしい」と感じる映画。
主演でも映画でもしっかりと爪痕を残す、ライアン・ゴズリングというジャンルを生み出している。
悪くは無いのが悪の半端者。
ムニャムニャセリフで、いつも眠そうなのに人を惹きつけるゴズ様の初監督の一本。 が、ニコラス師匠の影響受けすぎだってばよ!苦笑 作品として悪い訳ではないが、演出は師匠の模倣。 物語は「MUD」の異口同音、カタル仕切れない劣化版。 かといって悪いことは無い、観られるアート映画なんだけれど。 アート映画にしてはぬるい。 頑張れゴズ様!の作品。
偉大さは一日にして得られず
キューブリックやテレンス・マリックやデヴィッド・リンチどころか、直接の師匠であるウインディング=レフンのつま先にすら及んでおらず、にもかかわらずこっぱずかしいくらいに明け透けな「アメリカへの幻滅」もの(家賃が払えず取り壊される家や燃え落ちる家のモチーフの芸のなさ)としてグレート・アメリカン・ノベルを目指そうとする気合の空転ぶりに目をつぶりさえすれば、それなりにすがすがしく愉しめはする。
視覚と聴覚の印象のズレが“作家性”を感じさせる作品。
ライアン・ゴズリング初監督作品。 設定、展開、色彩、音楽。 各要素の新鮮味は然程無いですが。 組み合わせた結果は非常に個性的。 意図的に配置/結合され“作家性”が色濃く出ている。 何の希望も無い話が。 陽気な音楽の中語られる。 起きている事象は悲惨、凄惨だが。 画面に現れる小道具は何処か間が抜けている。 その違和感に妙な可笑しみが。 と同時に組合せの妙に趣味の良さも感じる。 ライアン・ゴズリングの作家性を堪能出来る作品となっていました。 視覚と聴覚の印象のズレが“作家性”を感じさせる本作。 終盤の展開は突飛かつ間抜けで思わず笑いが零れたのですが。 声を出して笑っているのは少数派。 決して万人受けする作品とは言い難く。 ライアン・ゴズリング×ニコラス・ウィンディング・レフンの作品にグッとくる方であれば楽しめると思います。 オススメです。
好みが分かれる特異な世界観。瀕死の街で生きる家族の物語。
【賛否両論チェック】 賛:死にかけた町で、家族と生きるためにもがき続ける主人公達の姿が切ない。 否:思いのほか単調で静かに進むので、好みに合わないと眠くなること必至。グロシーンも少しあり。 “ダム建設”という特異な事情から、死にかけてしまった町を舞台に、生きるために戦い続ける主人公・ボーンズや、家族を守るために必死で働こうとする母・ビリーの姿が、とても切なく描かれます。そして、そんな彼らに迫り来る残酷な現実もまた、胸を締めつけるものがあります。 ただ、かなり独特な雰囲気の静かな世界観なので、好みは極端に分かれそうです。 舌を切ったり動物を切り刻んだりなど、グロテスクなシーンも結構あるので、その辺は気をつけてご覧下さい。
トリガー
序盤を除き場面は全て夜で、ストーリーはゆっくり最後の一山を除きまったり進む為眠くなる。
(隣の人は8割寝てたw)
メインストーリーと直接関係ない演出でなかなかグロいシーンもあり。
ストーリーの殆どが主人公達を精神的に追い込む演出に費やされ、なかなか話しが進まないロストリバー…それはきっかけ。鬱屈した、追い詰められた人のトリガー。
映像も気持ちも暗い。
そんな映画。
全16件を表示