「ジャックの選択」ぼくらの家路 CRAFT BOXさんの映画レビュー(感想・評価)
ジャックの選択
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子どもたちにとっては愛おしい、愛情あふれる母親だが、社会人として見れば母親の自覚にかける、そんな母を持つ主人公の少年ジャック。預けられた施設を抜け出したジャックは、母親のことを探すために幼い弟を連れ、町をさまよい歩く。数日後に母親と再会し、その翌朝までを描いた作品。画面は終始、少年ジャックと同じ目線、同じ視界だけで動いていき、余計な情報は観客に与えられない。母親を含めて、数人の大人が登場するが、そんな大人たちがどんな人間なのかは、少年の目を借りて判断するしかない。
そしてラストシーン、少年ジャックは、母親を思い、自分たちのことを思い、自ら選択する。
ラストシーンのシークエンスを含めて、なかなか引き込まれる作品だった。観客は、この映画の原題が「JACK」であることを知らされるが、最初はなるほど「ジャック」のままで放題にした方がいいと思った。しかし、よくよく考えてみると、「ぼくらの家路」という放題も、とても含みがあって良いと思い直した。子どもの視線だけだからこそ、観客はいろんなことを考えさせられる事になるだろう。
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