「何の期待もせずに見れば・・・」ホーンズ 容疑者と告白の角 ikuyaさんの映画レビュー(感想・評価)
何の期待もせずに見れば・・・
ハリポタのラドクリフ君が主役、スティーブンキングの息子が原作であることに一切期待せずに一旦脇に置いといて、
サスペンスなのか、ダークファンタジーなのか、ドラッグ・酒・嘘・性・本音を描くヒューマンドラマなのか、ブラックユーモアコメディなのか、宗教チックなのか、などのストーリーへの先入観も全部一旦置いといて、
目の前に差し出されるものをポジティブに捉えられる人が楽しめる映画なのかなと思う。
粗探ししながらだと全部中途半端に感じる。
以下粗探しして気になった点。
●途中から唐突にヘビを出すんじゃなくて、序盤から布石を打つとかしてほしかった。
●もともと人間の本性や本音に敏感な子供だったとかも必要だと思う。
●音楽の使い方が中途半端。デビッド・ボウイに何か理由があるのかな。
●お兄さんがオーバードーズする描写が既視感たっぷり(トレスポ?)な上、不自然なほど唐突にCGを使っている。
●幼馴染の警官の幼少期の描写があの程度なら同性愛者だという展開は不要(あれは警察を皮肉りたいだけにしか見えない)。
●病院でのあからさまな性行為シーンは不要。キスぐらいにしといてその後を予想させる程度十分(あれは医者を皮肉りたいだけにしk(ry
●警官と医者の表現のせいでコメディ感が出てしまい、中途半端感に拍車が。
●まるっきり悪魔みたいな姿になる必要はないかな。あくまで火傷姿の方が鬼気迫る感があったと思う。これのせいでダークファンジー感が出てしまい、中途半端にはk(ry
●真犯人は衝動的なレ◯プ殺人や火攻め銃殺をものともしないクズはなんだから弁護士として主役を助けるような設定じゃない方がいいと思う。どんでん返しなら無罪を目指す弁護士より精神的にサポートしようとする精神科医かなんかの方が良いかと。
しかしこれだけ欠点をあげつらってもそれらを全てひっくり返すほどラドクリフ君の演技と雰囲気は素晴らしかった。
恋人との幸せの絶頂からの別れ、死、冤罪、突然の角、人間の本性、嘘、裏切り、など数々の災難が畳み掛けるように降りかかり、それらに思いっきり翻弄される青年を見事に演じきっている。
素晴らしい役者だと思う。
ただ設定やストーリーのせいでそこにお金を払う価値があるかどうかは????。
あともう一つ。
私はキリスト教信者ではないから別に構わないが、ちょっと神様もディスってない?
ストーリー上ご都合主義なのかどうか分からないが、
真犯人(真の悪)が十字架を帯びると悪魔パワーが及ばなかったり、悪魔じみた主人公の火傷の禍々しさを覆い隠すって表現は神の絶対的な万能性や正しさを否定しているように感じたな。