「イラつくオヤジをリアルに描いた監督優秀」夏をゆく人々 島田庵さんの映画レビュー(感想・評価)
イラつくオヤジをリアルに描いた監督優秀
トスカーナの田舎で、母親アンジェリカと、ドイツ人の父親ヴォルフガングと
謎の居候おばさんココ――signora(ミセス)と言われてsignorita(ミス)と言い直してたから、未婚――
と、3人の妹とともに暮らすジェルソミーナ。
ジェルソミーナ以外、まともなのは母親だけ。
父親は自分勝手の権化。
謎の居候ココも、勝手なことをしてかき回す。
妹たち3人も、それぞれにわがまま。
実質的には、ジェルソミーナが家を支えている。
なのに、まだ12歳だから、
父親は大人の権力を振りかざして、
それでいてガキみたいなことを言う。
てか、
蜂蜜の製造をもっと衛生的にしなくちゃいけなくて
そのために金が必要なのに、
有り金はたいてあんなものを買っちゃったりして
ほんとに腹の立つ父親。
思うに、
ジェルソミーナといえば
フェリーニの「道」を思い出すんだが、
そこに出てくる60年前のろくでもない男が
イタリアにはまだまだわんさかいるということなのか。
あ、でも「道」のザンパノの方が
ヴォルフガングより、なんぼかマシかも。
なにしろ
そのろくでもなさ加減のリアルさが半端じゃないので、
すごくイライラしちゃったんだけれど、
ただ、それこそこの映画がよくできてるという証拠であって。
まだ2作目らしいけど、
うまい、この監督。
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マサシさんのコメント
2021年12月31日
全然カッコの良くないオヤジが娘をこよ無く愛しているのが、なんか不釣り合いでしたよね。女の子達がかわいい子ばかりだし、奥さんは綺麗だし。でも、ラクダを買って来た時は感動で涙が出ました。イイ奴だと思いますよ。