「作品のアイデンティティは著作権」コングレス未来学会議 N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
作品のアイデンティティは著作権
思考実験かつアートな1本。
ゆえに物語の起承転結へ没入しようとした場合、
説明不足や設定の腑に落ちないところが目立つのではないかと感じた。
だがここではないどこか、幻想の中で生きるとは、
を突き詰めようとしたアート作品であると理解すれば、疑似体験に浸れる作品と観る。
実写とアニメのギャップ。
美しくファンタジーあふれる夢心地なアニメ世界の、しかしながら行き詰まり退廃的でどこか影がつきまとう雰囲気。暗い現実の、しかしながら不思議な安心感。
どちらを自身の現実として生きるか、迫るにいずれも帯に短したすきに長しで、悩ましいところが暗に何かを言わんとしているようで絶妙だった。
他にも多数あろうが「サマーウォーズ」や「竜とそばかすの姫」と基本的設定は似ている、と理解しなおしたとたん見やすくなっている。
時代が追いつき昨今のAI 事情とリアルに絡む分、
作品もその存在はひとつ模擬人格であり、
そこには確かにアイデンティティ(著作権)がある、と本作から理解できる。
なりたい姿(他の著作物)で生きる世界はつまり、
自由なようで自身のアイデンティティを放棄した生ける屍の世界ではなかろうか。
冒頭に記述した退廃的な雰囲気の原因をそう考える。
これをネット上のアバターと考えるとなおさら仄暗い。
そして物語のラストも。
どう考えてもトム・クルーズ的アニメキャラがチラチラ出入りしていて、
ちょっとニヤけながら見てしまったw
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