「インドだから描けた、インドでよくここまで描けた。が、しかし、くどい!」PK さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
インドだから描けた、インドでよくここまで描けた。が、しかし、くどい!
(あらすじ)
調査で地球に降り立った宇宙人PK(アーミル・カーン)は、宇宙船を呼ぶリモコンを盗まれてしまう。
宇宙船を呼ぶことができず、自分の星に帰ることができなくなったPKはあるものに縋ることにする。それは八百万神でした。
ラジカセ&色んな宗教グッズを身につけ、「神様行方不明」と書かれたチラシを配るPKに、TV局に務めるジャグ―(アヌシュカ・シャルマ)が興味を持つ。
何故、神様を探してるのかジャグ―が聞くと、PKはこう答えます。
「神様が願いを叶えてくれない。神様はどこにいるんだ?」と。
本作はPKとジャグ―の複数主格一人称で描かれているので、冒頭、宇宙船?からほぼ全裸で現れるPK→リモコンを盗まれるエピソードからーの、ジャグ―のミュージカル的な恋愛模様に急に話が変わるので、ちょっとびっくりしました。
最初の1時間は、それに慣れず混乱気味でした。
ま、この恋愛模様が、ラストに効いてくる訳なんですが。
ジャグ―はヒンドゥー教で、彼氏のサルファラーズ(スシャント・シン・ラージプート)
はイスラム教。日本ではあまりないですけど、人種や宗教の違いを超えたカップル成立って、海外ではなかなか難しいです。
特にインドでの宗教対立。
まさに、ヒンドゥー教とイスラム教の対立は、時にテロ事件に発展して、ニュースなどでみなさん知るところですよね。
本作にも、テロのシーンがあります。
このジャグ―とサルファラースの間でも、宗教が大きな壁になります。
そしてひょんなことから、ジャグ―の父親が傾倒している宗教団体の導師が、PKのリモコンを持っていることが判明。
導師はこのリモコンで、未来が予知できると嘘をついている。
PKは純粋な心で色んな宗教の矛盾を付き、結果的にその行動がみんなに広がって、霊感商法的な怪しい団体の摘発に繋がります。
そしてクライマックス!
この導師とPKの討論会が、TVで放映される……。
このある種の宗教団体&信者を揶揄する部分は、多分インドだから描けたと思うし、でもインドで良くここまで描けたなーとも思いました。
てか、アラフィフのアーミル・カーンの全裸に始まり、下ネタもそこそこあります。インドで下ネタ。できるようになったんですねー。
色んな意味でチャレンジャーの本作の監督が、ラージクマール・ヒラーニ。
"きっとうまくいく"の監督さんですね。
ただ、PKが神様を探し祈り、けど願いが叶えられず、色んな神様を探し祈り続ける~♪
っていうPKの今までの生活をジャグ―に語る体で、「神様はどこにいるの?」って歌い踊る冒頭の1時間。
私には、正直しんどかったです。
くどい!あ、すみません。
"きっと、うまくいく"がはまらなかった理由も、そこにあります。くどいんですよ。
でもそのくどい、どんくさい冒頭1時間で、隣のおばさまはずっと爆笑してて。
あれ?私がおかしいのかな?と思っていたら、ラストシーンでは全く同じタイミングで一緒に泣く。
という結果になりました(笑)
あ、すみません。関係ないですね。
悪いやつは悪いという、爽快感もいいですね。たまには。
しかしながらインドでこの内容は、かなり覚悟の要ったことでしょうね。凄いと思います。
そしてヒロイン役のアヌシュカ・シャルマ!
可愛い!手足長っ!こんな輝く笑顔が作れる女優さん、滅多にいないです。
※PK=酔っ払いという意味らしいです。