「.」ラブ&ピース 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
.
自宅にて鑑賞。怪獣映画で恋愛映画、青春映画でサクセス・ストーリーとジャンル分けし辛い娯楽大作。主題歌であるRCサクセションの往年のナンバー「スローバラード」の歌詞、最後の一行を当てた様な物語で、詩人でもある監督の言語感覚が本作でも活かされている。馬鹿げた内容を真剣に作っているからこその面白味はあるが、これ迄程のメッセージ性は無く、ベストとは思えない一面もある。トレーラー内の劇場の女の子達の様に泣く迄は至らなかったが、それでも大満足の一本──この監督はこれ位、振り切れてる方が断然愉しめる。60/100点。
・“PC-300”に星野源、“マリア”に中川翔子、亀の“ピカドン(ラブ)”に大谷育江と何気に声優陣は豪華。中でも犬山イヌコが声を当てた“スネ公”は、名前通りのひねたキャラクターで好み。
・田原総一朗、水道橋博士、宮台真司、津田大介、茂木健一郎が顔を揃える某TV討論番組を模した様なオープニングのシーケンスにおける決め科白以外の大半は、恐らくアドリブではないかと思われる。
・でんでん、吹越満、山中アラタ、村上淳、渡辺哲、堀部圭亮と云った園組常連が姿を消し、キャスト陣の平均年齢はウンッと若返った印象を受ける。“稲川さとる”の渋川晴彦と少ない出番乍らムチムチのレコード会社プロデューサー“松井”の松田美由紀が存在感が有り印象的な上、更に監督の常連になりつつある“上司”役マキタスポーツは流石の演技で、存在感を示している。
・ノン・クレジット乍ら、「ピカドン」、「ラブ&ピース」、「絆」以外に『地獄でなぜ悪い('13)』の劇中歌「ガガガはみがき」を長谷川博己扮する“ワイルド・リョウ(鈴木良一)”がステージ上で披露している。
・鑑賞日:2016年5月5日(木・こどもの日)