「原作ファンからすると悲しい仕上がりに。」秘密 THE TOP SECRET みちさんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンからすると悲しい仕上がりに。
原作が大好きで、期待して観ました。
キャラクターの性格の印象がだいぶ変わっていました。青木さんのまっすぐでお人好しな性格が変更されていたのも残念でしたし、キャラクター全体を通してすぐ感情的になったり、単純な性格に仕上がっているなと感じました。
漫画原作の映画にはよくみられる、いくつかの章を絡ませている方法がこの映画にもありました。しかし今回に関しては、原作の1つの章だけでも話は十分持つくらいの内容があるのに、荒削りして無駄に多く絡ませているようにみえました。
原作から設定が変わっている時は、原作とは違った魅力が出ることを期待するのですがそれもあまり感じられませんでした。
個人的に気になったのが貝沼のビジュアルと、薪さんと出会った状況が変えられた理由です。
ビジュアルに関しては、わかりやすい悪者にしたのでしょうかね。不気味さは原作の方があったような気がするのですが。また、薪さんと青木さんの身長のバランスは原作に忠実なのかなと思うのですが、薪さんの身長について言及される訳でもなく、なぜそこだけ、、?と思いました。
原作では、脳の映像をみて事件を解決に導くという、近未来的・非現実的な設定の中で犯人や捜査官達の人間らしい感情を繊細に描いている所が魅力の1つだと思っています。映画では残虐なシーン・怖いシーンや芝居臭いセリフに目がいって、原作ファンとしてはおもしろい設定が活かしきれていない様に思いました。大衆向けに派手にするとこうなるのでしょうかね。実写化は原作ファンが増えるきっかけになる事もあるので嬉しい事ですが、今回に関してはそれもあまり期待できないし、原作のほうが断然おもしろいです。