劇場公開日 2016年8月6日

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「消化不良は多分に残る。他人の記憶が語る、人間の闇。」秘密 THE TOP SECRET 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0消化不良は多分に残る。他人の記憶が語る、人間の闇。

2016年8月27日
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悲しい

怖い

知的

【賛否両論チェック】
賛:死者の記憶を辿る捜査を通して、人間が持つ心の闇の部分が露わになっていく様子に、思わず考えさせられる。
否:グロテスクなシーンがかなり多いので、苦手な人には向かない。展開に消化不良感も結構残る。

 “死者の記憶を見る”という、一見非常に有益にも思える捜査を通して、次第にその精神を蝕まれていく捜査官達の姿や、その捜査を逆手にとって嘲笑うサイコパス達の様子に、人間の思考が持つ深い闇の部分を考えさせられるようです。
 反面、展開はやや難解で、最終的に
「・・・で、どういうこと?」
と思ってしまうような印象も拭えません(笑)。犯人達の動機や背景等、理解しがたい部分も多分に残るので、消化不良感もあります。また、スキャンのために脳を露出させるシーンがかなりグロテスクなほか、惨殺シーンやラブシーン、ホラー映画のように急に驚かせるシーンなんかもあるので、苦手な人は観ない方がイイと思います。
 それでも、ラストのシーンには希望が持てるというか、重くなった雰囲気に差し込む一縷の光のようで、ステキな終わり方です。
 科学の力がもたらす犯罪捜査の最前線を、是非体感してみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド