「長崎弁に違和感のある反戦ファンタジー」母と暮せば アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
長崎弁に違和感のある反戦ファンタジー
方言で演技するのってきっと難しいのでしょう。多分出身者以外では感じないかもしれないのですが、方言に違和感がありすぎて物語に入り込めませんでした。
だってこの物語のメインとなる母と息子のやり取りの言葉使いがおかしいって致命的でしょ?なんだか長崎弁に博多弁も混じってる印象を受け、九州ひとまとめかい!ってツッコミたくなりました。九州弁ってないから!!各県言葉使い違うから‼‼うーん、放言って独自のリズムがあるので、それこそ今作なら1年なり地元に住んで多少なりとも感覚を覚えてからとかしないときっと誰が演じても無理なんだろうなー。残念ながらそこまでやる役者バカは日本にはいないと思いますが。
あ、でも放言って地元ではない人が見れば特に気にならない事かもしれません。作品自体が幽霊の出てくるファンタジーだから、リアリティーは気にしちゃいけない所なのかもしれませんが・・・しかしながら正直この物語なら舞台は長崎じゃなくても成立するので、無理して原爆絡めない方が自然でいい作品が作れたと思います。
という訳で不自然過ぎて話に入り込めないと作品作りの荒が目立っちゃうんですよね。特にエンディングは酷すぎです。笑いを取りにいってるとしか思えない。何でこうなった?
個人的に一番印象に残ったのは黒木華が女の子を連れて、その子の父親の消息を聞きに行くシーン。父親の訃報を聞いても泣かないでけなげに耐えてる所はこちらが泣けてきます。きっと戦後の日本ではよく見られた光景なんでしょうけど胸が締め付けられます。母と息子のシーンがダメダメだった分、そっちが印象に残りました。
広島、長崎で原爆の実験をしたことはアメリカのやった民間人大量虐殺であり、国際法も無視した絶対に許されない重大犯罪です。そこはもっと世界に訴えるべきでしょう。でもアメリカ人にはもっと直接的な描写で訴えないと、例えこの作品をみても遠回し過ぎて何も伝わらないだろうなーっと思いました。色々と残念。