劇場公開日 2015年12月12日

「母になってしまった吉永小百合。」母と暮せば mg599さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0母になってしまった吉永小百合。

2015年12月30日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

井上ひさしの戯曲に「父と暮せば」という作品がある。黒木和雄監督が映画化した。
本作は、そのアンサームービーの位置付けになっている。

山田洋次監督の反戦に対する思いは並々ならないものと、今さらのように思う。
オープニングの原爆投下のシーンは、全世界の人に見てほしい。

原爆で失った息子が、母の前に現れる。
本作には戯曲はないはずだが、ひょっとすると井上ひさしの草稿があったのかもしれない。
極めて演劇的である。
息子の二宮和也もよくしゃべるが、母の吉永小百合も負けずによくしゃべる。しゃべるだけではなく、よく笑いよく泣く。

「父と暮せば」にあった、生きていて申し訳ないというモチーフは、黒木和雄はまともに自分のことでもあったし、主人公が体現していた。
本作では町子(黒木華)が背負っていた。

山田洋次は、基本的に人間賛歌であり、それが母子の喜怒哀楽に表れている。

戦争のことをほんとに考えなければならない。

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mg599