劇場公開日 2015年12月12日

「♪映画「母と暮らせば」の活用法?」母と暮せば ぽかりさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5♪映画「母と暮らせば」の活用法?

2015年12月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

このお話の感想をどうシェアしようかと考えた時、ふと思ったのが、「お手本」…。

…モデリング(マネ)の対象にしてはどうかと言うことです。

では、何の「お手本」か?ですが、

今の社会、親御さんが代々続く「安全基地を持てない」ことによるハンディキャップ…自尊心の低さの為に自分の「安全基地」を持てない子供が増えていると感じています。

安全基地とは、そこに戻れば、安心できる、自分が守られていること、愛されている事を再確認出来る場所です。

無償の愛を感じることが出来、自分が認められ、許され、肯定される場所。信頼できる相手が存在する場所。

そんな安全基地として吉永小百合さんが演じたお母さんは、一つのモデルになると感じました。

そして、その安全基地的なお母さんに育てられた、二宮和也氏演じる次男がどんな子に育ったかは安全基地の大事さを理解するのに役立つと思います。

明るく、笑顔絶やさず主体的に愛情を注ぐ事ができる子。
遠慮無く、自分の気持を表現できる子。

もちろん、映画の中のお母さんも、次男も完璧ではないので、問題もあります。

…生きて幸せを謳歌している人を見て嫉妬してしまったりとか、

…大事にしていた存在を失う悲しさ故に相手の自由を束縛しようと
したりとか。

でも、”安全基地”があるからこそ、そんな葛藤という新しいことへのチャレンジができ、徳を積む的な私たちの原点に戻り、相手にとっての幸せのために何が一番いいのかを理解し、…自分の中に感じた奪われる恐怖から脱することができます。

…もし、そんな安全基地を知らないという人がいるなら、ぜひ、この映画の中の二人を真似ることで、まず、自分自身の安全基地を目指しては、と思いました。

この二人も、その周りの人々との関係、つながりも、全て参考になると思います。

安全基地の影響力は、代々受け継がれます。

江戸時代には、安全基地だらけだった日本も、明治維新後に出来ること、表現することの自由を奪われ、人間関係のつながりを奪われ核家族化、個人主義で自立するための忙しさ(心をなくすこと)
に没頭される中で、

…競争を通して様々な怖さにさらされ、人や自然とのつながりを絶たれ、多くの安全基地が失われつつあります。

それでも…

「安全基地は、私から復興させる」

今、生きづらさに苦しまれている方も、これからお母さんになられる方にも、ぜひ、そんな覚悟を持っていただきたいという願いを込めて、この映画をオススメしたいと思います。

ぽかり