シン・ゴジラのレビュー・感想・評価
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ん? 待てよ。 絶賛できない粗がボロボロと…。
なすすべのないように見える想定外の事態に対して、政府は、世界はどう動くのか。
震災の経験を踏まえて、
献身的に事態の収束のために動いた人々を描くことで、讃え、
スクラップされても、この国は立ち上がれるというメッセージを込めた作品。
と、テーマは素晴らしい。
でも、おままごとに見えるのはなぜ?
ゴジラは『ゴジラ(1954)』とギャレス監督『GODZILLA ゴジラ』のみ鑑賞。
エヴァと岡本監督『日本のいちばん長い日』未見。
前半の、政府が迷走する様は、コメディの様で、ありえそうで、その展開=目の付け所に唸った。
何が起こっているのか把握しきれず、でも対策を講じなければならず、困惑する大臣たち。
その一方で、粛々と対策本部室を整えていく役人たち。
情報伝達の有様。実務に伴う懸案事項。意志決定の有様。
資材がすぐに用意できるのは、日ごろからどこに何を頼めばよいか、把握しているからであろう。
総務・人事…。
『踊る大捜査線』を思い出すというレビューもあったが、
私は『12人の優しい日本人』や『博士の異常な愛情』を思い出しながら見ていた。
演技力の定評のある役者たちの演技に支えられて、情報は混迷しつつも、テンポよく見せてくれる。
そして、ここで、石原さん演じるカヨコ登場。
総てが絵空事・学芸会の世界になる。
イーオンで鍛えた英語を駆使して、高飛車なエリートの役作りをなさっているのだが、
かえってそれが裏目に出て空回り、コメディにすら見えない。
そして物語も設定のための設定となる。
ゴジラの出自、牧の動向…USAを絡ませる、カヨコを登場させるための設定?
『ゴジラ(1954)』での、ゴジラの誕生や芹沢博士になぞらえているのだろうが、まったく映画の中で活きてこない。「牧教授は人類を試した…(思い出し引用)」という台詞があるが、とってつけたよう…。
それでも、巨災対のメンバーの、これまた、演技力に定評のある役者たちによって、”研究”という地味なシーンも見どころあるものになり、
政府側では、平泉氏演じる里見の、ボケ的なニュアンスを醸しながらも”トップ”の想いが印象に残る。
ここでも、安易な作戦。
B-2の攻撃後に光線を発し始めたのだから、原爆を落としたからと言って、死ぬとは限らず、かえってさらに攻撃性のあるものを開花させる可能性は検案されない。もともと、放射性廃棄物に適応進化した生物と設定させているのに…。ギャグか?
”究極”の設定にするための設定?
そして、ヤシオリ作戦。
USA軍機・新幹線・在来線・重機・爆破。ジオラマを見ているようで楽しい。『しょうぼうじどうしゃ じぷた』の世界や、『シンカリオン』のように変形はしないが、プラレールで遊んでいるようで、テンションが上がる。
ここは、四の五の言わずに、童心に帰って楽しむしかない。
と、ツッコミどころもあるが、見どころもある。
映像も、『ゴジラ(1954)』のオマージュ?と言えるようなところもたくさんある。
(東京タワーは素通りして、国会議事堂・銀座交差点襲撃もオマージュ?)
音楽は、もちろん、伊福部氏のものを多用。
ゴジラの造形もきれいで迫力ある。ポスターにしたいような映像もある。
けれど、なぜだろう。『ゴジラ(1954)』の方が怖い。
そして、痛みがない。
『ゴジラ(1954)』と同じように、逃げ惑う人のシーンはある。避難するべく移動しているシーンもある。避難所のシーンもある。
だが、すべてが、ニュース映像で見ているよう。どこか他人ごとなのだ。
主人公である政府閣僚や巨災対メンバーは、現場に居ず、”安全”な場所にいるからか?
事態を少しでも良くしようと、必死になっている様は描かれるが、熱量が伝わってこない。
『ゴジラ(1954)』は戦争体験と、原爆投下・水爆実験を体験した人たちの手で作られた。
だから、震災を経験した庵野監督たちは、この映画を作ったと、どこかで聞いた。
でも、忘れていやしないか。体験の内容が違う。
『ゴジラ(1954)』の関係者・観客は、ある者は従軍し、ある者は兵器開発に携わり、ある者は空襲で逃げ惑い、ある者は疎開していた。そして、ある者はその生活基盤や家族を失っていただろう。
そして、庵野監督は、どこでどのように震災を経験したのだろうか?東京は、揺れ・地割れや建物にヒビが入ったところもあるが、基本無事だった。そして、東日本が震災・津波に飲み込まれる姿を繰り返し見させられた。その映像を”我が事”として観た人は多いが、”体験”したわけではない。
そして、もう一つの違和感は、働き方。
未曾有の事態に、人々のLifeを守るために、献身的に働く人々。
この映画では時間との闘いという縛りはあるが、
昼夜間・0泊〇日で勤務することを尊いとしているって、なんてブラックな…。80年代の「24時間働けますか?」のノリ。精神論か?
どういうふうに研究しているのか、素人考えだが、スパコンが解析している間、張り付いている必要はあるのか?
最近の脳科学では、ちゃんと睡眠取らないと的確な判断が下せなくなるから、ちゃんと寝る権利ー昼寝だってー推奨されているのに。
エッセンシャルワーカーに強いる負担。
今現実的に起こっているコロナ禍でも、労働状況をと整えることなく、医療従事者・保育士・介護従事者に強いる負担。それでいて、少子化と問題視し、頓珍漢な支援策を打ち出す。
けれど、これは、政府の無策の問題ではなく、この映画の登場人物の働き方を”良し”とする私たちの中にある価値観。それが、こうして世代伝達されていくんだなと心が冷え切ってしまった。
そして、根本的な信念として、核に対する曖昧なスタンス。
細かく考えると、ツッコミどころ満載な映画。
政府目線で、災害対策に物申す的な映画だが、ほころびがボロボロ出てくる…。
<追記2022.6.2>
どうして、この映画がおままごとに見えるのか、考えた。
原爆・水爆を踏まえて、新しい発見が兵器利用されることを断固として拒否し、体現した芹沢博士。『ゴジラ(1954)』の真のテーマ。強烈なるメッセージ。
今作には、このテーマ・メッセージに匹敵するものはない。
オマージュを捧げた? 足元にも及ばない。
ポリティカル・シチュエーション・ムービー
まあ、評判がよくないでしょうね。ゴジラファンからは。だって怪獣映画じゃなくて、政治映画なんだから。
これにそっくりな映画が押井守「パトレーバー2」。平和に飽食したとみえる日本に、突然巨大な仮想テロを出現させ、この国の治安維持や安全保障機構がどう作動して、内部の脆弱さを晒していくかを描いた名作です。
これに対して本作は、国際社会の核の傘に収まり切れない、人類に対する「核の脅威」そのものというべきゴジラが出現したとき、日本と世界はどう対応していくかというものでした。福島原発の暗喩でもあるのでしょうが。
米国が「大使館の安全のため」と称して、日本国内なのに勝手にゴジラを攻撃しようとしたり、それを糊塗するため急遽日本政府からの要請があったように見せかけるとか、いくつか笑えるところがあります。
ただ、いかんせん意外性がなく、キレがない。だから会議シーンは全体的に退屈になってしまいました。
とはいえ庵野さんのゴジラだけキレ抜群で、気持ちが悪く、破壊力抜群。まさに破壊神そのもの。米軍機をあっという間に木っ端微塵にしてしまうところなど、快感でした。もうちょっと壊して欲しかったなあ。
小説にしても面白そう
東京湾に正体不明の巨大生物が出没し、パニックとなる。想定外に日本政府はどう対応するのか。
国立新美術館で公開中の庵野秀明展のチケットをもらったため、行く前に見ておこうと思い、鑑賞しました。公開時から気になっていた映画の一つだったが、見ないまま時が立っていたので、いいきっかけをもらいました。
話には聞いていたけれど、政府の対応や判断を丁寧に描いており、想定外の事態に右往左往する様子の臨場感は格別でした。牧教授の調査など、映像化されていないプロットもあるので、小説にしても面白いのではないかと感じました。
役者もそのキャラに合った演技をしており、政治の動きに躍動感を与えていたように思います。登場人物が多くて、キャラを噛み締める余裕はないのですが(笑)。石原さとみが演じたパターソンは、キャラとして浮きすぎてて、その点は残念でした。
CG感など細かいところ、もうちょっと質を上げて欲しいと思うところはありますが、もう一度見ても楽しめそうな映画でした。
絶妙な構図とセリフ
多分マジメにセリフを最後まで聞こうとしてる人はいなかったんじゃないか。集中して聞くほどあの速さは物凄く疲れます、、が、そのだらだらと前に進まない感じが堅苦しく見ようとするのを辞めた途端面白くなり、さらに絵の移り変わりがとてもスピーディかつ構図がカッコよくて、かなり楽しめました。
ゴジラの活動よりチャーミングな外野の営為にスポットをあてたアングルの面白さは、どうせ庵野が撮るならそうそうこれくらいやってくれてやったね!というのが第一の感想。楽しかった。
しかし俳優の皆さんよう早口で喋る。でもさすがみんなプロできちんと聞き取れる滑舌。石原さとみだけがコミカルで際立ってたけど、ただ状況に呑まれるパニックものゆえにほかの俳優には演技に目が行かず、少し役者泣かせの映画やなと思いました。
やってることは『未知への飛行』に近い
『新世紀エヴァンゲリオン』で有名な庵野秀明が脚本と総監督を務めた話題作。噂は聞いていましたが、何だかんだあって今まで鑑賞したことはありませんでした。ようやく鑑賞できました。
結論ですが、鑑賞前に抱いていた「怪獣映画」のイメージを覆すような作品でした。
日本が舞台の作品で、日本が舞台である必要性があるストーリー。ゴジラの登場するシーンよりも会議室で人間が議論しているシーンの方が多分長い。観ていて『博士の異常な愛情』や『未知への飛行』を思い出しました。人命を取るか、驚異の排除を優先するか。色々と考えさせられる場面も多かったです。
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ある日、東京湾アクアトンネルで崩落事故が発生した。地震か海底火山の噴火であるとする意見が多く挙がったものの確証には至らなかった。そんな中、内閣官房副長官の矢口蘭堂(長谷川博己)は、海中に生息する未知の巨大生物によるものだと推測する。会議でそのことに言及するものの荒唐無稽な説である故に全く取り合ってもらえなかったが……。
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とにかく全編を通して台詞が異常に早口で展開されます。怪獣映画なのに会議などのあまり動きのないシーンが多い本作ですが、演者の顔が次々とアップで映し出されたりして、撮影方法で動きを出している印象です。会議室のシーンが非常に多いので、密室会話劇映画のようにストーリーが進みます。
この会話シーンがとにかく面白い。良くも悪くも日本らしく、何かを決めるのにいちいち会議を開いたり、体裁を何よりも気にして最善の策が取れなかったりするところに多くの観客(特に社会人)が共感できるであろう「あるある」が詰まっていて、怪獣映画なのに会話シーンがとにかく面白い。
俳優陣がとても良くて、脇役に至るまで実力のある俳優を揃えていたり、キャラに合ったキャスティングだったりして、細部までこだわって作られた映画なんだと分かります。
本作を観ていて私は『未知への飛行』を想起しました。
核爆弾を積んだアメリカの戦闘機に「ソ連へ核攻撃をしろ」という誤った指令が出てしまい、大統領や幹部や軍の関係者が会議を開き、どうにか攻撃を阻止しようと右往左往するという映画です。「断固として核攻撃を阻止しないといけない」と考える穏健派もいれば、「この機会にソ連に攻撃を仕掛けよう」と提案する強硬派もいる。核攻撃までのタイムリミットが迫る中で色んな考えを持つ人たちが議論を繰り広げるのを見るのが非常に興味深く面白い映画です。
本作『シン・ゴジラ』も、ゴジラへの対策を行う人間たちは様々な思惑があり、激しい意見の対立が起こります。人命を第一に考える人・ゴジラの駆除を第一に考える人・自分の進退を第一に考える人。立場によって意見が違い、そして選択を迫られるという展開。『未知への飛行』とかなり似ていると私は感じました。
ラストの展開も、テンションが上がるような興奮するような、かなり熱い展開になりますので見応えがありました。主流から外れてしまったアウトローたちが奇抜なアイディアと勇気で大怪獣ゴジラに立ち向かう展開は盛り上がりますね。
間違いなく面白い名作でした。オススメです。
人によって意見の分かれそうな作品
個人的には、ここまで的確に日本人的なものをエンターテイメントとして観れる作品として世に送り出したことはすごいなと思います。
怪獣というエンタメを期待した方は楽しめないかもしれないですが、会議会議でなかなか決めなくて、1人の犠牲も許さないために決断できないことのダメさや兵器ではない方法で戦う方法を選択した優しさを作品として両立したことが素直にすごいなと思いました。
私は好きな映画です。
同人誌版ゴジラ
オタクとアートの間を行き来する監督によるゴジラ作品という事で、初期エヴァが好きな私は、友人達の勧めもあって楽しみにして鑑賞した分、ずいぶん落胆させられた。
まず兵器や戦闘機等、果ては電車にまで出てくる謎の名称テロップで私の気持ちは大分削がれた。オタク特有の、誰も求めてないのに一々得意げに解説してくる気持ち悪く罪深い一面がとても感じられて嫌な気持ちになった。あそこまで逐一出されるからには何らかの意味があって然るべきだと思うが、私には全く意味が見出せず、ただ監督という特権を使ったオタク丸出しの自慰行為を見せつけられている気がして不快の極みだった。
そして前半に特に割かれる緊急事における日本の対応を風刺したような人間ドラマは、踊る大捜査線における警察の構造の風刺レベルで、とりわけ名作レベルでは無く、寧ろ陳腐に感じた。
緊急事態だと煽るわりには歴代総理含めて誰も彼も皆、切迫感や恐怖感、絶望感を一切感じているようには思えず、全編通して出演者から人間性を感じ取る事は出来なかった。総理共々死んでいったシーンもガメラ3の襲来の時のような恐怖感は一切無かった。
これまで初期エヴァでネガティブなエネルギーに満ちた様々なシーンやキャラクターを作り上げた監督の渾身の各形態のゴジラのデザインも微妙で、狙った感が全面に出すぎていて、あの蒲田くんもただの滑稽にしか感じられなかった。というか歴代ゴジラシリーズに対するリスペクトを一切感じさせられなかった。エゴ丸出しで愛の無い正にオタク特有の自慰行為だった。
CGも評判のようだが、ハリウッド版ゴジラと比べても何も迫力が無く、本当にこれに大金がかかったのか疑わしさすら感じられた。というかここも10年くらい前の政府自治体制作の災害啓蒙ビデオみたいな映像でこれが本当に最新なのかと首を捻らされた。
全編を通して感じたのは、監督のエゴとそれに付随する他者性の欠如でありオタクに監督をやった場合の悪い部分が如実に出ていた。
また人間描写には情念と言ったものが感じられず、映像もキレイなだけで迫力の一切無いもので見ている私が感情移入する余地は全く無く、金のかかった同人誌が出来ましたという感じでした。
もし子供達がこれを見てカッコいい、すごいというならそれはそれでしょうがないと思うのだが、大人がこれを見て名作だと思うならその人とは付き合いを考え直すレベルでした。
良
自宅PCにて、amazon prime videoで視聴しました。
他のゴジラ作品などはほとんど見たことがないので、この作品を見てゴジラファンの方がどのような気持ちになるかはよくわからないのですが、個人的には面白かったと思います。
少し気になったのは、字幕ですかね。結構長い字幕が出てるのに、すぐに消えてしまうので全然読めませんでした。また、背景が白いのに、白い字幕で出ているせいで全く見えない、という場面もありました。その辺はもう少し親切にしてくれても良かったんじゃないかと思います。
エヴァの音楽すげえ出てくるし、所々演出もエヴァっぽいなと思っていたんですが、観賞後製作陣見たら実際エヴァの監督が居たんですね。笑 そりゃあ似るところもあるよなと思いました。作中に出てくる「無人在来線爆弾」のようなネーミングが面白いですね。クスッとしました。
多くの省庁や機関が出てくるから、日本の政治機構について詳しくなる、という昔の先生に聞いた言葉を思い出し見てみたのですが、正直登場人物や役職名が多すぎるし、字幕がすぐ消えてしまうので全く理解できませんでしたね。笑 お話は面白かったと思います。特にゴジラファンとかでもなく、こだわりとかもない人にとってはまあまあ楽しめる作品なんじゃないかなと思います。
娯楽映画の面白さがない
娯楽映画としては面白くない。子供にとっては難しい単語が出てくる会話が多いので理解しにくいし、大人にとっては特撮がやや物足りないく、悪く言えば子供だましという感じがする。
放射能汚染問題や原爆反対といった社会派テーマをちらつかせているが、やや強引すぎる。この種のテーマを扱えばインテリが見て「良い作品でしたね」と言わせたいような、いかにも優等生映画を作っているんですよとの意図が見え見えで引いてしまった。
娯楽作品なら娯楽作品らしく、社会派ドラマならそれらくしてほしいが、後者なら、なにもゴジラの映画で扱う必要はない。
思ったよりも面白い
新・真・神・進・震・sinゴジラ。 ゴジラよりも、矢口蘭堂の方がよっぽど虚構であるという皮肉。
破壊王ゴジラの恐怖を描く特撮怪獣映画『ゴジラ』シリーズを、設定も新たにリブート。
突如として出現し、東京の街を蹂躙した”巨大不明生物”。「ゴジラ」と名付けられたこの怪物に対処するため、日本政府は「巨大不明生物特設災害対策本部」(巨災対)を設置。内閣官房副長官の矢口を中心とした各分野のエキスパートが集結し、ゴジラに戦いを挑む…。
総監督、脚本、撮影(D班)、録音(D班)、監督(D班)を務めたのは『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズや『風立ちぬ』(声の出演)の、日本を代表する映画監督・庵野秀明。
主人公である内閣官房副長官、矢口蘭堂を演じるのは『地獄でなぜ悪い』『進撃の巨人』シリーズの長谷川博己。
内閣総理大臣補佐官、赤坂秀樹を演じるのはテレビドラマ『BOSS』シリーズや『謝罪の王様』の竹野内豊。
米国大統領特使、カヨコ・アン・パタースンを演じるのは『インシテミル』『進撃の巨人』シリーズの石原さとみ。
内閣官房副長官秘書官、志村祐介を演じるのは『蛇にピアス』『ソラニン』の高良健吾。
巨災対のメンバーの1人である野生生物専門家、尾頭ヒロミを演じるのは『いま、会いにゆきます』『嫌われ松子の一生』の市川実日子。
統合幕僚長、財前正夫を演じるのは『風立ちぬ』『そして父になる』の國村隼。
タバ作戦戦闘団団長、西郷を演じるのは『ALWAYS』シリーズや『モテキ』のピエール瀧。
第一戦車中隊長、池田を演じるのは『海猿』シリーズや『20世紀少年〈最終章〉ぼくらの旗』の斎藤工。
東京湾アクアラインのトンネル崩落事故に巻き込まれたカップルの女を演じるのは、『神さまの言うとおり』『イニシエーション・ラブ』の前田敦子。
巨災対の1人である生物学者、間邦夫を演じるのは『クワイエットルームにようこそ』『沈黙』の塚本晋也。
フリージャーナリスト、早船達也を演じるのは『ピンポン』『カイジ』シリーズの松尾スズキ。
古代生物学者、志賀(仮名)を演じるのは『ジョゼと虎と魚たち』『のぼうの城』の監督で知られる名匠、犬童一心。
内閣官房長官、東竜太を演じるのは『ウォーターボーイズ』シリーズや『悪人』のレジェンド俳優、柄本明。
官邸のベテラン職員、広田静子を演じるのは『かもめ食堂』『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』の片桐はいり。
巨災対の1人である研究者、安田龍彥を演じるのは『耳をすませば』『スウィングガールズ』の名優、高橋一生。
東京都知事、小塚を演じるのは『20世紀少年』シリーズや『カイジ』シリーズの光石研。
内閣総理大臣、大河内清次を演じるのは『踊る大捜査線』シリーズや『ツレがうつになりまして。』の大杉漣。
警察庁長官官房長、沢口龍彦を演じるのは『20世紀少年』シリーズや『エイプリルフールズ』の古田新太。
消防隊隊長を演じるのは『のだめカンタービレ』シリーズや『恋空』の小出恵介。
大怪獣ゴジラのモーションキャプチャを務めるのは『のぼうの城』『風立ちぬ』の、狂言師・野村萬斎。
第40回 日本アカデミー賞において、最優秀作品賞/最優秀監督賞を受賞!✨
第59回 ブルーリボン賞において、作品賞を受賞!
本作の感想はコレだけっ!
💀💥ゴジラが怖いっ!!💥💀
ゴジラ映画において、これ以上の評価点があるだろうか!?
ゴジラが強くて怖い=超オモロい。Q.T.E.
以上、解散ッ!!
…まぁこの映画については公開当時から散々語られているし、それぞれの感想や評論がなかなかに面倒臭いから、あんまり触れたくないんですよねー。
3.11のメタファーだとか、原発事故が東京で起きた時のシミュレーションだとか、官僚批判だの左翼的だのどうたらこうたらと、イデオロギー主義者の巣窟になっている。
それに加えて、怪獣映画オタク内での派閥闘争も絡んできてもうめちゃくちゃ。
特別ゴジラ映画に思い入れがない自分からしてみれば、よくぞここまでの娯楽映画を邦画で作ってくれたッ!と手放しで喜びたい気分でいっぱい。
この映画の成功によって『シン・ウルトラマン』(2022)も『シン・仮面ライダー』(2023)も制作が決定したんだし、特撮ファンとしてこんなに嬉しいことはないよ…😭
とにかく早口で喋りまくるキャラクターたち、字幕によって次々と投入される情報。こういうものが相まって、もう頭の中はキャパオーバー。細かいところはよく分からん。
でもそれでO.K.なんです。分からなくて当然だし、庵野だって分からせようとしていない。
庵野作品の特徴はその「衒学性」にある。「それっぽい」こと、それ自体が最重要なのです。
つまり、「なんかリアルっぽい」「なんか政治劇っぽい」「なんかメッセージが込められているっぽい」が伝わればOKであり、別にその中身はどうでも良い。後は観客が各々考察したりなんだりして勝手に盛り上がってくれというのが、庵野秀明の思惑なんじゃないかな。
メタクソ面白い映画だと思うんだけど、それでもやっぱり「うーん…😞」と思うところはある。
ズバリ言えば、三幕目が弱すぎる。
一幕目のスピード感。コレはもう抜群!
開始5分でゴジラ登場。ボンクラだらけの内閣と、間抜けな総理によるコメディ。
あれよあれよと言ううちに蒲田くんがプッシャーッ🤮グロキモいっ!
そしてまさかの進化!
自衛隊攻撃っ!…と思ったら、民間人がいて撃てない〜💦
攻撃中止!からのゴジラ逃走。
ここまでのスピード感、その気持ちよさは最高!Foo〜〜✨✨
そして第二幕。
巨災対設立。霞ヶ関のエクスペンダブルズ結成。
アメリカから唇怪獣こと石原さとみが襲来💋
牧教授の陰謀とは…?
そして巨大化したシン・ゴジラがあのテーマ曲と共に襲来🦖
しかし、今回は自衛隊もマンキン。ガンガンに攻め続ける。
そして、遂に在日米軍が攻撃。やったかと思いきや…。
ここまでで大体1時間くらい。
半端ない盛り上がり。もうこれは10,000点💮
尻尾だけを見せるという情報不足な登場シーンから徐々にその全貌が明らかになるというサスペンス、上陸して来た蒲田くんのキモさ、そして完璧な成体へと進化したゴジラの神々しさすら感じる圧倒的な威圧感。
形態を変化させることにより描き出される三者三様の恐怖。段階を経てどんどん盛り上がりが増していく作りになっており、全く観客を飽きさせない。
普通なら退屈に感じる会議シーンも、最初はコメディとして描き、事態が悪化してゆくにつれてシリアスな雰囲気に移行してゆくという変化の描き方が絶妙な為、グッと引き込まれてしまう。
エヴァのテーマと共に集結する巨災対の面々。本作はチームものとしての面白さも重要な訳だが、高橋一生や市川実日子、津田寛治といった演技巧者が配されており、彼らの演技力によってそれぞれのキャラクターが生き生きと浮かび上がっている。その為、メンバーが集った時のワクワク感はすごい!コイツらならゴジラをヤッてくれるかも、と期待させてくれます。
会議パートや巨災対パートは、冷静に考えると説明的すぎるセリフが山盛りなんだけど、こっちは情報量の多さで頭がパンクしているのでそんなことには気がつかない。この辺りもおそらく意図されていることなんだろう。ただただ、「うわー、みんな頭いいなぁー✨」と言う単純な感想を抱くばかりである。
んで、問題は東京壊滅後の第三幕。
この映画の第一の山場は初めてゴジラがその姿を表す蒲田くん登場シーン。
そして第二の山場は内閣総辞職ビームによる東京壊滅。
そしてそして、第三幕で行われるゴジラ撃退作戦「ヤシオリ作戦」こそが第三の山場。なのだが、最も盛り上がるべきこの最後の山場が弱い…。
無人在来線爆弾という名称のインパクトはたしかに凄い。まさに声に出して読みたい日本語。でも、そのインパクトに値するだけの画的な面白さは正直言ってなかった。
そもそもヤシオリ作戦自体、ちょっと乗り切れなかったところがある。あれだけのパワーを持つゴジラが、いくらエネルギー不足だったとは言えあんな攻撃でこけるのかなぁ?とか、そんな都合よく口の中に液体突っ込ませられるのかなぁ?とか、そんなことが気になって仕方なかった。
ゴジラがまるっきり原発のメタファーであるが故、あの作戦を描かなければならないと言うのはわかる。
でも、やっぱりゴジラの倒し方としては、いかに荒唐無稽といえども、1954年版が映画的な面白さとしてはベストであり、本作でそれを超えることは出来なかったなぁ、というのが素直な印象である。
あとあの牧博士の曼荼羅。
結局あの謎を解き明かしたところでやることは変わらなかったんだから、なんであんなに引っ張ったのか謎。
あの謎を解いたことによって、ゴジラを冷却するという作戦を思いついたのだとしたら展開的に理解できるんだけれど…。
そもそもこの映画、『劇パト1』(1989)と漫画版パトレイバーの「廃棄物13号編」を一つにしたみたいな作品。
冒頭で黒幕が自殺するというのは帆場のやり口と一緒だし、「廃棄物13号編」ではニシワキ・セルという猛烈な勢いで進化する細胞から生まれた怪獣が東京湾に出現し、自衛隊も災害派遣という体で出動していた。
なんでこんなに似ているのかといえば、企画協力として押井守の秘蔵っ子、神山健治がクレジットされているからだと思うのだが、これらの先行作品と比べると本作はお話の纏め方が正直言って上手くない。ゴジラの倒し方を考えるというのは、すごく難しい事なんだというのは理解出来るのだが、もうちょっとなんとかならんかったんかな…。
『劇パト』では故人である黒幕、帆場の足取りを刑事が追うというシークエンスがあるのだが、そこがめちゃくちゃミステリアスで美しく、そして怖かった。
どうせ『劇パト』のオマージュをやっているのなら、松尾スズキ演じるフリーライターが牧の足取りを追う場面を入れて欲しかった。
両手を上げて大絶賛っ!という感じではないけど、こういう映画が大ヒットしてくれたのは素直に嬉しいし、まだまだ邦画にも希望があるということを教えてくれた。
市川南さんなのかな?庵野秀明にオファーを出したのは。
市川南の作る映画には疑問を抱くことも多いが、この慧眼は素直に凄いと感じる。実写映画の制作者としては大した結果を残していない庵野秀明に、328人もの役者が出演する大作の舵取りを任せたのだから。
そしてその期待に応えた庵野秀明の凄さ。
ここ1〜2年の内閣の動きを見てもわかるように、残念ながら現実世界に矢口蘭堂は存在しなかった。「コロナ」というゴジラの如き脅威は存在していたというのに、これはなんたる皮肉か。
しかし、混迷極まる映画界において、庵野秀明こそが矢口蘭堂になりえる存在であることを証明した。
ここ数年の庵野秀明の活躍ぶりは止まることを知らない。行き着くところまで行ってくれ!庵野秀明!そして早く『シン・ウルトラマン』と『シン・仮面ライダー』を見せてくれ〜😆
※2024年8月、追記
『シン・ウルトラマン』も『シン・仮面ライダー』もパッとしねぇじゃねえか!!どうした庵野秀明!?
次は『シン・宇宙戦艦ヤマト』だという話だが、ぶっちゃけ『ヤマト』には全然興味ねぇぞ!!そんなんしてる場合か庵野秀明!?
庵野秀明監督最高傑作
映画館では2016年8月31日地元のイオンシネマにて鑑賞
それ以来何度観たことか
庵野秀明監督最高傑作
ゴジラシリーズ最高傑作
日本映画ベストテンに必ず入れたい名作
日本映画を彩る豪華な俳優陣贅沢すぎる顔ぶれ
バイプレイヤーズの超豪華版
娯楽映画の決定版
これを見ずして映画を語ってはいけない
老若男女が楽しめる怪獣映画パニック映画
それに比べたら鬼滅の刃なんて幼稚で子供騙しもいいところ
ゴジラが何段回にも渡って成長していく姿が面白い
最初は「えっこれがゴジラ!?庵野いい加減にしろよ」とショックに感じる人が多いかもしれないがいやいや早合点してはいけない
つぶらな瞳も途中経過に過ぎない
政府や役人のオタオタぶりや有識者の役立たずぶりが今のコロナ渦に通じるものがある
しかし未知の事態に無理もない
それでも大河内大臣の「聞いてないぞ」には笑ってしまった
余貴美子演じる花森麗子防衛大臣と國村隼演じる財前正夫統合幕僚長の2ショットが最高
大杉漣演じる大河内総理大臣に決断を迫るあの場面
ゴジラ以上に興奮した
あとカヨコ役の石原さとみもいい味を出していてとても良かった
『進撃の巨人』のときもそうだがハイテンションな役がよく似合う
舞台とかどんどんやればいい
この映画に星一つ二つなんてありえない
いるとしたら怪獣映画とか邦画が根本的に合わない人
今後は観るべきではないし語らない方が良い
緊迫感、わくわく感、いけいけ感最高。 怪獣映画としてはもちろん秀逸...
やっぱり面白いよね!
映画館で3回観て、ブルーレイも購入して、ネット配信でも観てます。
初めて観たときの衝撃はすごかったです。映画館を出てからもしばらく「これは面白い!」と思ってニヤニヤしてました。
ただ、がっつりハマる人と、いまいちな人に分かれるだろうな~と思ったのも事実。
ハリウッドの大作と比べれば映像はしょぼい。おっさん多い。会議シーンばっかり。ゴジラの倒し方がなんか間抜け。石原さとみのアメリカ人設定無理じゃね?
でも、それでいいんです。それがいいんです。
気になる点も多々ありますが、これは「日本の特撮怪獣映画」なんです。B級でいいんです。庵野監督もあえてそのへんを意識して作ってるんじゃないでしょうか。
ちょっと前まで着ぐるみとミニチュアでやってたことを思えば映像的には大幅な進歩です。破壊シーンも見ごたえありました。おっさんが多いのも、会議が長いのも結構。下手なアイドルが出てるよりよっぽどいいし、よくある恋愛シーンやお涙頂戴の感動の別れみたいなシーンが一切ないのが素晴らしい。ゴジラの倒し方も好きです。これまで怪獣映画では一方的に破壊される存在だった電車やビル、車両が一致団結してゴジラに一矢報いる姿に感動すらしました。でも、やっぱり石原さとみはどうにかならんかったものか...
結局、ハリウッド大作を観るのと同じ感覚だとイマイチに感じて、日本の特撮映画を観る感覚だと面白いってことかと思います。自分は完全に後者でしたが、周りではそこまで絶賛してる人はいませんでしたね。残念ながら。
それにしても、会議室にコピー機を並べるシーンや、最後のヤシオリ作戦で米軍が折りたたみ机とパイプ椅子に座ってゴジラと戦うシーンなんかは空想のなかにも現実感があって、庵野監督じゃなきゃ絶対に見れない場面ですね。そういう細かいネタがすばらしい。
真のゴジラ
今まで色々とゴジラ作品を観てきましたが、これほど異質で迫力のあるゴジラは今までになかった..
庵野監督により作られたゴジラがとにかく新鮮で、第1形態〜第5形態まで登場するがどれも頭に残るぐらい衝撃的でした。
実際に現実にゴジラが発生した場合どうなるのかフィクションでありながら、想定しているんではないのかと思うほどの膨大で緻密な案の数々。対応策や作戦などが本格的で観ていて世界観に一気に引き込まれました。
好きなシーンが多く、特にヤシオリ作戦時の電車爆弾と凍結させるシーンが良かったです。
気になったのは、会議シーンの尺が長く怪獣物としては一部話の流れが悪くなっているように思えました。
【総合評価】
個人的には全体的に文句なく満足できる作品でした。今までのゴジラシリーズの枠に囚われない自由な発想は見る者全てに衝撃や興奮を与えられる作品ではないかと思います。
まだ終わってない
怪獣映画をきちんと観たのはおそらくこれが初めてです。
怪獣が街を大暴れするが、ヒーローの活躍で平和が戻る、という単純なイメージしか無かったのですが、実際に観てみると全然違い、こんなに面白いのか!と驚いています。
何が面白かったかというと会議シーンです。難解な条例や専門用語を早口でまくし立てる政府関係者達。難解すぎてついていけないのですが、それがかえって超リアルで惹き込まれます。ゴジラ出現というあり得ない事態の中、霞ヶ関ではリアル会議。このコンロラストが面白かったです。実際に未曾有の大災害が起きたら官邸ではこんなやりとりがあるのだな、と伝わってきます。
ラストも考えさせられます。一応一区切りついた所で終わっているように見えますが、あれはいわば最悪の事態の一歩手前で一時停止ボタンを押した状態です。ゴジラを倒したわけでも、追い払ったわけでもないのです。
東京のど真ん中で凍結されたゴジラは何を意味しているのか。
海底で核汚染された産業廃棄物を取り込み、巨大化したゴジラ。人間は飛躍的に進化発展してきたが、その影でとてつもない代償を生んでしまった。ゴジラはその隠喩です。
エネルギーや環境問題、その他にも、国際協力、災害やコロナ対応、、、私たちは様々な課題を抱えています。それらにどう対応していくのかをゴジラに問われているような気がしました。
【その他】
・第2形態のゴジラ。インパクト大でした。今までのイメージとは全く異なる見た目で、いい意味で裏切られました。気持ち悪いんだけど、クセになりそうで、一度見たら忘れられません。
・ハリウッド映画だと恋愛や家族愛の要素も加えて感動を誘ってきそうですが、この作品にはそれが全くありませんでした。あくまで政府のリアル対応と暴れるゴジラに焦点を絞っていました。そこが良かったと思います。
・ゴジラの尻尾。人間が取り込まれているようにも見えるラストの尻尾。ネット検索すると色々な考察が出ていて興味深かったです。
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