シン・ゴジラのレビュー・感想・評価
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人間の可能性を見た
シンゴジラで良かった処はゴジラという巨大な虚構を、現実感を伴った人間(組織)のドラマで包み込むことでスクリーンの向こうの世界を自分と地続きの世界のように感じさせてくれた点です。
これまでゴジラはテレビで数本見ただけですが、そこに映っているゴジラも対応する人間(組織)も現実感は薄くキャラクターにも物語にも気持ちを通わせる事は出来ませんでした。
一方の本作。ゴジラは人間の都合や思いなど寄せ付ける余地もない禍々しさの塊で、天災がゴジラの形に固定されたようです。
これに対応するのは当然ながら政府、自衛隊、消防や警察などの各組織であって過去作にあった科特隊のような超常部隊の超常兵器など出てきません。
それどころか自衛隊の出動にも何ステップもの会議や法整備に時間とエネルギーを割かれるという日本的な組織体制が描かれ、いざ出動したものの政府から幕僚、現場指揮官、隊員へと攻撃可否が上意下達される迂遠な様がいちいち差し込まれる徹底ぶり。
だがそれが良い。この上意下達の様こそが自分が本作に没入できた一番の理由。
小さな描写の数々を細かいカット割りでテンポ良くつないでいく事でドラマにスピード感を持たせつつ緊張感も持続させる。
登場人物も総理は総理として決断の重責を負う一方、役名も付かない1カットしか登場しない多数のキャラクター達も同様に懸命に働く場面を描くことで、本当に日本の総力戦であることを納得させてくれる。
大きな組織が動くには何をするにも沢山の人間がかかわらないと機能しない。
上流、下流といった上下関係ではなく、全体が有機的に繋がることで組織としてのパフォーマンスを発揮する。
本作でも大きな才能を発揮するキャラクターは何人も出てくるものの、それも所詮は組織の中の一つのパーツでしかない事を描きつつも、そのパーツがそれぞれの場所でそれぞれの役割を最大限に果たそうとすることで絶望しかないと思われた状況に一縷の望みを繋ぎ止めて見せてくれる。
お仕事映画としてとてもよく出来ていると共に、人生を肯定的に捉える目を開かせてくれる作品です。同様の感覚はディズニー映画のシュガーラッシュからももらいました。
また本作のゴジラは3・11などの自然災害のメタファーと捉えることもでき、日本各所の復興に対して在住者のみならず日本全体として向かい合う気持ちと核という強大なエネルギーへの畏怖を新たにさせてもらえる作品でもあります。
と、絶賛の態で書きましたが他の皆さんが言われている通り突っ込み処のような箇所もありました。
ただそれも見る人の世代、特撮への好悪などなど個々人の感覚によりますしまずは一見されてみてはと思います。
凍結ジュース核廃棄物味?
最後のトンデモ作戦までは完璧。
こんな面白い映画あるのか!と大興奮。
不評のさとみちゃん出演シーンでさえ許容範囲。
彼女はあの重要なセリフを言うためのヒロインでしょ?
最終決戦前の矢口の演説に泣かされた後の展開が...なんて言うか口あんぐり。
だけど、何度でも観たいと思わせてくれる映画はそうはないので☆5ということで。
総力戦
観ていて、
あっ総力戦だなって感じた。
音楽にエヴァが使われているのも聞いて、
「俺は「庵野秀明」だ!俺は俺でしかない!」
という想いも感じられて、
そこから想像出来る命懸けっぷりに対して、
シビれた。
キャスティングもこりゃ総力戦だな、命懸けだなって。
やっぱ認められるべき人が認められてもいる感じで、それは観てて心地良かったな。
みんな全身全霊で演じている様がサイコーッ。
もう、いろんな所からなり振り構って無さが感じられて、気持ちいいよ!良かったよ!
全体から「邦画終わらせねえぞ!」みたいな感じでさ。
ホント、終わらせないで、邦画。
こうなって来ると続き、ゴジラ対怪獣ってのも観たいけど、エヴァの4作目も観たいし。
そうなると、
なにがどれで、いつがいつになるんだ?
うーん、なんか考えると憂鬱になって来るから、
思考を停止!
加点方式で一億万点
たぶん何か色々足りてないものはある気がするんだけど、変なホルモンが脳味噌から出てるので細かい事はどーーでもいい。
まず、モノクロのスーツと温度の低い目をしたおじさん達が延々小難しい言い回しをこねくり回してる地味な会議シーンで異様にテンション上がる。執拗さで押し勝っている。早口と舌量と時間の長さで、威圧してくる。ただの会議シーンなのに。
ゴジラもすごい。第四形態まであるとか聞いてない。ミサイルの集中砲火でも微動だにしない。火炎放射をごぼごぼ吐く、終電前の新橋でこういうおじさんいるなってくらい吐く。全身からビームが出る。しかも水と空気だけあれば生きていけるらしい。もうよくわかんない。人間が相手にしちゃダメなやつ。
新幹線と電車とタンクローリーもすごい。ぶつけると強い。京浜東北線やら山手線やらがゴジラに向かって突っ込んでいくシーンの疾走感には、血湧き肉躍った。あいつら普段はすぐ遅延するけど、やる時はやるじゃん。タンクローリーもよくやったよ。ゴジラ、泥酔して水飲まされてるOLみたいな顔してた。はたらくくるますごい。
「好きなことをやれ」っていうテーマに違わず、とにかく心の小2を解放してくれる映画なんだけど、登場人物は賢く狡猾な大人達なのがグッとくる。理性的な政治家が、理不尽の塊と、破天荒に戦う。「現実対虚構」だ。
"無いこと"で魅力を出すのがうまいなと思った。例えば感情表現で、誰も泣き叫ばないし、勝っても歓声は上がらない。それでも十分、その時々の感情に共感できる。
あと、CGが妙にチープで、予告見たときとか映画の序盤は気になってたんだけど、それもどんどん魅力的に見えてくる。ゴジラのビームは郷愁だ。
イイ大人が東京駅をぐちゃぐちゃに潰して喜んでもいいんだな、映画の時くらいはって思った。
ほとんど覚えてないが小さい頃好きだったゴジラが蘇った やっぱりゴジ...
ほとんど覚えてないが小さい頃好きだったゴジラが蘇った
やっぱりゴジラはハリウッド版より日本版
懐かしの着ぐるみ?みたいな古い感じを思わせる目ん玉ギョロ目のゴジラから進化してあのジャケットのゴジラに進化する
進化前の古臭いゴジラが日本の特撮感が出てて良い
政治家達のアタフタさ、やれ法律だのやれ対応がどうだのと実際に関東大震災が起きた時の対応が想像できるような描写
会議室の机の下から盗撮するようなアングル、邦画独特の沈黙を挟む間、何処となく締まりがない総理大臣のキャラが印象的
石原さとみの英語はネットでも色々書かれてたけど、まぁ良いんじゃないかな、竹野内豊の方が上手い気がしたけど
英語喋れる女優他に居ると思うんだけど、あそこまで豪華キャストで固めなくても感が否めない
もっと英語喋れる若手女優とか天才学者役で若手とか使うと新鮮なんだろうけど、それをやると大根揃いになってしまうのがハリウッドとの違い
小出恵介や斎藤工のエキストラなみの一瞬さ、エンドロールでクレバ出てたのの驚きは凄い
「ゴジラ、完全に沈黙」「ヤシオリ作戦」とか、もはやただのエヴァ
あの謎のクレーンポンプ車?みたいなの初めて見た
ラストシーンは色んな憶測が飛び交っているが、さすがエヴァの監督、僕にはもうアダムにしか見えません
それでもフルCGゴジラのリアルさ、政治家達の滑稽さ、意外なカメラアングル、実際に想定外の事態が起きた場合を想像させる臨場感、総じて面白い映画
もう期待できないのかも。
東京大空襲、原爆、東日本大震災を越えて
何年かぶりの和製ゴジラの新作『シン・ゴジラ』、ロードショウで鑑賞しました。
昨年秋の文化庁主催のシンポジウムで、平成ゴジラ中興の祖・大森一樹監督が、「ゴジラは映画のスター。スター映画というのは、ファミリー映画。庵野と樋口にはファミリー映画が撮れるのか」と述べていましたが、さて・・・
各国が太平洋に無断投棄した放射性廃棄物を食料とした古代生物が巨大化し、東京に上陸。
自衛隊を中心に政府は対応しようとするが法整備すら出来ておらず、対応ができない。
その間にも巨大生物は変態し、さらに巨大になっていく・・・
というストーリーは、第1作目の『ゴジラ』の焼き直しである。
というか、そのままである。
たしかに、政府の対応方法や細部は異なるが。
その異なる部分が今日的な視点である。
第1作では、ゴジラ出現の経緯は太平洋における核実験。今回は放射能廃棄。
さすがに、現在、太平洋での核実験は行われていないので、そのように改変しているが、「核に対する無自覚さ」というのが根底にあることには変わりない。
また、第1作では「東京大空襲」の悪夢の再現のようなゴジラのゴジラの襲来は、今回は明らかに「東日本大震災」の再現である。
幼生のゴジラがのたりのたりと川に沿って遡ってくるのは、津波のイメージだろうし、その幼生(一部変態するが)は引き波のように海に還っていく。
還っていった後に残ったのが、瓦礫と放射能なのだから、これは福島のイメージだろう。
(瓦礫の山の前に、長谷川博己演じる矢口が立つシーンは、震災後の写真を彷彿とさせる)
とここまでは、太平洋戦争を東日本大震災にスライドさせたイメージで進むのだが、後半、完全変態した成体形ゴジラになってからは、ゴジラ本来が持っている「原爆」の恐怖のイメージが沸々と滾(たぎ)ってくる。
ゴジラに対して、国連の多国籍軍が編成され、ゴジラを駆逐するためには、熱原爆を落とすしか手がない、それを日本が許容できるのか、というハナシになってくる。
このあたりになると、心底、恐怖が増してくる。
なにせ鑑賞したのが、広島・長崎に原爆が落とされた日の直後だったからね。
この、無謀な策を、「復興」の名のもとに受け容れようとする政治判断も描かれ、背筋が凍ってしまった。
しかし、この映画は、第1作の焼き直しである。
東京に原爆は落ちない。
落とさせない。
核に対して核、という回答はあってはならない。
第1作では、オキシジェンデストロイヤーという科学の力(しかしそれとても、武器になりうる可能性がある)が投入されたが、今回は、「技術」である。
コンクリートミキサーとコンクリートのクレーン注入機で、ゴジラに血液冷凍剤を注入しようというのだから、科学ではなく、「技術」だろう。
この技術志向は、かなり興味深い。
SF(空想科学映画)的解決ではなく、あくまで、技術。
ゴジラ退治のシーンは、まさしく、大規模工事現場の様相。
あれれ、なんだか既視感が・・・
樋口真嗣が監督した2006年の『日本沈没』では、太平洋プレートのひずみに巨大な鋼鉄製のプレートを打ち込んで、日本の沈没を食い止めた。
あれに似ている。
ただし、今回のやや乱暴ともいえる血液冷凍作戦は、映画的には驚く効果を残した。
(というか、この画を撮りたくて、この作戦を採ったのだろうけど)
それは、冷凍剤注入中に覚醒したゴジラが立ち上がり、そのままの状態で固まってしまう画。
そしてその固まったゴジラは事態収拾後も立ち続けている。
原爆の象徴=原爆ドームのように。
無自覚な放射能施策を忘れてはならない、と告げいるかのように。
東京に原爆を落とさせなくてよかった、と告げているないかのように。
冒頭に挙げた大森一樹監督の発言を振り返ってみると・・・
第1作目の『ゴジラ』は、そもそもファミリー映画ではなかった。
スター映画でも、ファミリー映画でもない、「恐ろしいゴジラ」を現代に蘇らせたのだから、この映画、成功だろう。
ただし、この映画は、これで完結であり、凍り固まってしまったゴジラが蘇る日は、スター映画・ファミリー映画になるかもしれないが。
評価は★★★★(4つ)としておきます。
<追記>
エンドクレジットでは長谷川博己、竹野内豊、石原さとみと並んで(他の多数の出演者の後に)、野村萬斎がクレジットされていましたね。
パンフレットを買えば書いてあるのかもしれませんが、これは、ゴジラ役でしょうね。
今回のゴジラはオールCGとのことですが、その元の動きのモーション・キャプチャを野村萬斎が務めたものと推し量りました。
エンタメ作品としてこれが作られたことが嬉しい
ゴジラは一つも見たことないし、庵野にも何の思い入れもないが、評判がえらい良かったので見に行ってみたら、納得。興奮したし、フィクション映画を見て初めて恐ろしいと感じた。
明らかに東日本大震災とその後の原発事故を意識した演出とストーリーは、見ていて本当に辛かった。特に蒲田上陸のシーンは津波そのままだったし、放射能炎で東京が焼かれるシーンはあの時の気仙沼を見ているようだった。初代ゴジラは原水爆の被害をテーマに、B29の空襲ルートに沿って東京の街を襲撃したらしいが、今回の「この時代にこのストーリーのこの演出で」という感じは、ある意味では見事な先祖返りをしてみせたのかも知れないと思ったり。この作品に出てくる官僚と政治家、あまりにも有能過ぎないか?と思わんでもないけど、何かと自粛ムードを醸し出したあの出来事を、こういうエンタメ作品に昇華してみせたことが何より嬉しい。それに、安っぽい「絆」とか場違いな恋愛ドラマを一切挟まない、滅茶滅茶地味な映画でも面白いもの作れるのだと知らしめてくれた点も。あと尾頭さんがめっちゃ良いキャラしてた。石原さとみは、まあしょうがないか…。浮いてたけど。
真神新・呉爾羅
面白かった。印象的だったのは、これぞ真形態の上陸したゴジラを丸子橋で自衛隊がアパッチや10式戦車等で迎え撃つシーン、米軍空爆後の今までに見たことない炎を吐きながら背ビレや尻尾からも熱線ビームのシーンは史上最恐でBGMとともに神秘的、東京駅での戦いで高層ビルを爆破して押し倒したり新幹線やら電車での攻撃は新鮮で面白かった。血液凝固剤(?)を飲ませてやっつけたみたいだけど最後の尻尾の先の意味深なガイコツ(?)は何?次回作はこのカチカチになったゴジラをどうしたら面白くなるだろうか。
久し振りの傑作
いきなり東京湾の海底トンネルに現れ、羽田のポンプ場から我が家の近くのドブ川を通り蒲田で暴れたときには、驚きました。
うちの近所のドブ川の橋は大破、ご近所のマンションもボコボコでした。私の家にも瓦礫くらいは飛んできたのかも。ただ、あの形態はゴジラではないです。
川崎からの再上陸には、防衛ラインが多摩川に置かれ、前の職場の近くの河川敷に戦車隊が配置されたときには、再び驚きました。
あと面白かったのは、政治の駆け引きです。内閣の決断力の無さ、責任の所在の押しつけ、憲法第9条と日米安保条約との兼ね合いなど、なかなか自衛隊の出動もままならないことが分かりました。在日米軍も困るでしょうね。戦争法(平和関連法案)に関心がある人も見るべきです。
音楽ですが、最初の伊福部さんのゴジラのテーマが流れたときには、懐かしくて涙が出そうになりました。人類が反撃に出た時にかかる「怪獣大戦争マーチ」にも心が熱くなりました。
とにかくうちのご近所の方々には、お薦めの映画です。
日本らしさの良いとこが感じられた
タイトルなし(ネタバレ)
ゴジラが大好きで今回新作が日本で作られると聞いてとても楽しみにしていた。
が、なんとまあ期待はずれというか。
良い部分ももちろんあった。
まず、ハリウッド版ゴジラと違って、始まった瞬間に事件が起こって、ゴジラの登場が早かったこと。
そして最初から最後までリズムよく進み、間延びしていたり飽きるところがなく、最後まで一気に見れたところ。
退屈する時間がなかったところがこの作品の良かったところだと思う。
それと、ありがちな主人公の恋愛や家族物語が一切なかったところ。
シンプルで、完結。これは良かった。
しかしそれ以外まあ本来のゴジラとはかけ離れた期待はずれのものだった。
ゴジラに関して言えば本来のフォルムから大幅に異なり、手が小さくなり脚が太い。しっぽもやけに長い。
それに歯が小さい。これは個人的にとても気持ち悪かった。
ピラニアみたい。
もっと普通に歯を生えさせれば良かったのに。。
目が魚の眼みたい。
なんか本来の眼じゃない。
全体のバランスが肥満の洋ナシ型みたい。
しかも口だけじゃなく、背中や尻尾からも放射。
しかも一番気に入らないのは、口から放射した時に顎が2つにカパァと割れるところ!!!!
バイオハザードのゾンビの進化系みたいな、エイリアン的な感じ。
ここまでするならゴジラである必要ない。
これは本当にショック。
こんなビジュアルにした理由が聞きたい。
ゴジラがこんなフォルムである必要がどこにあるのか聞きたい。
他には、石原さとみの英語も気を散らす。
これも必要性を感じない。
ゴジラを見るにあたってそこにこだわったのが謎。
あとは主人公が政治家ということで、指揮をとるだけなため、戦場との距離が遠い。
よってあまりゴジラと戦うところの緊迫感、恐怖感があまりない。
住民のゴジラに対する恐怖感が強調されていないため、本来ゴジラが登場した時のみんなの恐怖というものが感じられない。
また、あまりにもよくできすぎた戦略。
瓦礫だらけで、道にトラック何台も通れないはずなのに、なぜかゴジラが倒れたところにすぐ車が到着して凝固剤を口に流し込む。
え?がれきは?
なんでここにゴジラが倒れるってわかったん?
疑問が残りますね。。
今思いつくのはこれぐらいですね。
まあ期待しすぎました。
監督が庵野ということでエヴァファンは褒めるのかもしれません。
基本、特撮は嫌いなのですが
なかなかおもしろい
ゴジラって実はあまり見たことなかったかも。
日本を日本人が守るという点、官僚と政治家の感覚のズレや様々な許可に時間がかかる点などなど。
難しいところもあったがなかなかよかった。
日本に3度目の核爆弾を落とさせないってところは感動。
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