劇場公開日 2016年7月29日

  • 予告編を見る

「大人なゴジラ」シン・ゴジラ クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5大人なゴジラ

2019年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

萌える

庵野秀明監督という事で見たわけではないですが、期待値以上に面白かった。

無敵のゴジラをどーするか、これがメインではあるけれど、人間側のストーリーには色んなメッセージが込められていて、深刻な事態なのに風刺を挟み込む脚本の出来の良さに感動しました。序盤の内閣の指示云々、中盤2度目のゴジラ上陸での出来事、終盤国際社会を巻き込んだ政府の対応、そして終始根底にある、ゴジラのエネルギーの源や、ゴジラの破壊行動だけではない弊害など。ラストカットも意味深。

関東圏の方には、見知った街がドンドン破壊されていくので共感を得やすいと思います。関東圏外の人間にしたら、立川から都心の距離感とかさっぱりですからね。ゴジラの破壊行進や俯瞰でのゴジラは圧倒的で手に汗握る。

実写で演ってるのにアニメみたいなカット割りも、庵野秀明イズムなのか、エヴァイズムなのか。台詞と画面上の情報量の多さもアニメ的。すべて良い意味です。

しかし演者はビミョーかな。
皆台詞の多さ故の棒読み感はある。主演長谷川はこーゆーシリアス役より、「地獄で何故悪い」のちょっとコミカルな方が合ってる気がする。石原は某英会話教室の広告塔よろしく過剰な英語台詞だし。
その他豪華キャストがちょこっとずつ出て来て、「あ、諏訪太朗だ」「ここでモロ師岡か」とかマイナーキャスト(若干失礼)に気持ち奪われてると話追いかけるの忘れちゃうし。
流石だなと思ったのは、安定の余貴美子。

さっきは褒めとして書きましたが、
画面上の情報量に加え、台詞も情報過多で、何を言っているのかさっぱり分からん所が多く、字幕で見たいと思ったのは私だけかな。

とまあ色々書き連ねたのを見て分かる通り、今回のゴジラはズバリ、
「大人の為の怪獣映画」であり、未成年なんか分かりっこない。
作り手はそれで良いと思っていて、観る側は覚悟が必要。

クリストフ