「シンゴジラ」シン・ゴジラ sanoppiさんの映画レビュー(感想・評価)
シンゴジラ
日本の代表的なキャラクターゴジラを表現するときにいろいろ言いたいのですが、「怪獣映画は子供の頃に見ないとだめ」なのです。ゴジラは世界のブランドです。世界のブランド...フムフム宮崎駿...。「〇〇」内の言葉が大事なのです。なぜでしょうか。子供の頃母親とゴジラ映画を見に行くその日に父親は「そんな子供だましの映画を見にいくなんて」とぼやいたものです。わくわく感に満たされた子供にとってこれほど水を差す言葉はありませんでした。大人と子供にはこれほど温度差があるのです。そして世界の子供の心に残ったからこそゴジラは世界のブランドとなったのです。そのころの大人の見たゴジラではないのです。製作したのは大人ですが。また世界に認められたゴジラ映画は初作の昭和29年からおよそ10年間の作品だと思います。初作ゴジラを見た人の感想に「正しく空襲の記憶だ」と言われた方がいます。絵画の巨匠ゴヤの絵に巨人の描かれた絵画がありますがナポレオンを象徴していると言われています。そう考えるとゴジラはそもそもはアメリカ軍の空襲の恐怖に端を発しているのかもしれません。キングコングは子供の時に見た映画を温めた監督が現代において制作しその連鎖が続いてきたのだとわかります。そして美女を愛する可愛らしい側面があります。ゴジラにもこのキャラクターを持たせることは出来ます。南極に彼を埋め込んだETの母星にいた数百年から数千年も生きる女性との地球上での再会とか、私のシナリオではもともとゴジラは宇宙戦争において放射能に耐えうる兵士を遺伝子操作で開発中に起きた事故により巨大化してしまった兵士怪獣なのであり恐竜ではないのです。新ゴジラにはそうしたリアリティーが抜けています。ジュラシックパークの誕生には琥珀の中に閉じ込められた蚊の吸った恐竜の血液中の遺伝子からクローンを作るというリアリティーがあります。ゴジラのシナリオは日本人とは限らず60代、70代、初作から10年間のゴジラを子どもの時に見た世代でないと作れません。もう手遅れですかね。