「残念なプロパガンダ映画」シン・ゴジラ apple cider 52さんの映画レビュー(感想・評価)
残念なプロパガンダ映画
これは意欲的に立ち向かったが勘違いに旋回した失敗作だね。
これはゴジラ映像に付託したただのプロパガンダ映画ですよ。
月初忙しいし日曜日のレイトショーでフロアーのシートを独り占め感覚でみてきたけれど、この主題にゴジラがなんの関与もしていないことが異様だと思った。
つまりこの映画がゴジラである必要は東宝側にしかなく、たとえばレッドキング(特撮テレビ番組『ウルトラマン』第8話「怪獣無法地帯」1966年9月4日放送)に置き換えてもまったく問題ないという仕様。
これは酷すぎるというよりも、ゴジラ映画の全否定という動機を含んでいる。
私が2歳児だったゴジラデビューから60年。
当時スクリーンに飛び出したゴジラのそれは異形の生物であるものの誰も眼にもそれはまだ手垢のつかない語彙として機能していた「怨念」の二字を具現化したものだった。
ところが庵野秀明が造形するゴジラを借用して自分がたりか、乃至は俗流のプロパガンダをかぶせたお手軽な出来栄え。石原さとみについてはミスキャストという域。この映画の混乱ぶりをシンボライズしているとすら思った。
さまざまな映画レビューを読んでいて、イマイチとか面白くなかったという声のほうに納得感がある。
制作陣の小細工に反応する人たちは、偏差値秀才たちかもしれないがこんな共通一次試験のようなセリフで埋め尽くす映画制作は退廃そのものだと思わずにいられない。
どこらへんがプロパガンダで、
どこらへんがレッドキングでもよくて、
どこらへんがゴジラの全否定なのか
具体的なシーンなど挙げて貰わないと賛同しようにも難しいです。結果悪口を言いたいだけとも取られかねないですよ。
あと石原さとみはかわいいので許してあげてください!