劇場公開日 2016年7月29日

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「怪獣映画として物足りないシン・ゴジラ」シン・ゴジラ 子林欧屋さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0怪獣映画として物足りないシン・ゴジラ

2016年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

知的

寝られる

まず最初に、夏休みに怪獣映画を作ってくれた、そのことだけで関係者へは感謝と賛辞を惜しみません。しかし。

ストーリーの起伏の無さ、あっけないラスト、この点についての擁護出来ません。
怪獣の偉容は表現できていただけに非常に勿体ない。
それと音楽。監督の過去作品を思わせるようなものは要らなかったのでは?カタルシスに欠けます。

怪獣映画のリメイクでは平成ガメラがあり、こちらと対比して観るとシン・ゴジラに欠けているものが見えてきます。
それはミクロな視点です。
怯えながら勇気を振り絞り怪獣と向き合う、そんな登場人物を通して我々は映画にのめり込むのですが、
シン・ゴジラでの登場人物たちはほぼ全て遠くから、マクロな視点から対峙しており、説明じみたセリフが目立ちます。
結果、物語に引き込まれません。

津波や原発被害を思わせる描写もありましたから、描けないはずはないと思います。しかし描かなかった、もしくは描けなかった。
それがエヴァから逃げ続けた庵野監督の限界なのかもしれません。

ガメラ大怪獣空中決戦で、恩師の犠牲に哀しみながらギャオスと闘う
長峰のようなキャラクターがいれば、この映画もまた違ったものになったことでしょう。

子林欧屋