劇場公開日 2016年1月23日

「お話は酷いけど、 小栗劇場として観れば いい時間。」信長協奏曲(ノブナガコンツェルト) Cディレクターシネオの最新映画レビューさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0お話は酷いけど、 小栗劇場として観れば いい時間。

2016年5月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

月9だったにもかかわらず、
シゴトが忙しかった時期で、
このドラマは観てませんでした。
いつものことながらそんな状況ですが、
話題作は劇場で観るという信念のもと、
足を運びました。
まぁそのくらいの方が、
1本の映画としてピュアに
語れるということでしょうか(笑)

ドラマ次回予告のような説明で始まるのですが、
戦国時代にタイムスリップした状況設定や、
なぜ家臣からの信頼が厚いのかも、
全くわからないままですね。
いやいやいいんです。
ドラマを見てないマイノリティなボクが、
いけないのですから。

信長と入れ替わって、
信長が光秀になるみたいですが、
逆に殺られちゃうなぁと、
すでに読めてしまいました。

「えっ、俺死ぬの??」
それな、小学生でも知ってる(笑)
信長と入れ替わったサブローが、
無知すぎるのに苦笑。
常識的な史実が分かってると高校生だと
違う話になっちゃうから、
しょうがないですね。

そして歴史の教科書を見て、
歴史は変えられないと自分で気づいてるのに、
自ら本能寺を選ぶのも、さすがに無理があります。
サブローが唱える、
「戦の無い平和な世界」がテーマの軸かと思えば、
すぐ戦を始めちゃうし...。
史実縛りで筋書きが読めている分、
新しい驚きや感動ストーリーを考えないと、
映画として成立させるのは難しい。
そこは、もう少し頑張って欲しかったなぁ。
期待してたラストも、ええっ?と呆れました。
こんなカンジで物語は穴が空きまくって、乱暴すぎ。
けどTVシリーズの続編とコミック原作ですから、
この際難しいことは抜きにしましょう!

そんな笑っちゃう内容でも
結構楽しく観れたのは、
俳優小栗旬の存在感です。
一人二役の「小栗劇場」は、
コントラストをはっきりさせて、
惹きつけるものがありました。
共感軸と客観軸をうまく対比させた演技には、
見応えがありましたね。

そこに実力派の山田孝之さんが、
作品全体に深みを与えてます。
柴咲コウさんも、凛とした中にもお茶目な佇まい。
難しい役作りを、しっかりこなしてました。
向井理さん、藤ヶ谷太輔さんも安定しててよかった。
濱田岳さんの家康は、auのCMにしか見えませんでしたが(笑)

こんなカンジで。映画レベルの原作ではありませんでしたが、
日本のヤングアダルト実力派俳優の熱演が、
大スクリーンで体験できてよかった。
それはそれで、素敵な時間でしたよ。

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