「アクロバットな低空飛行で、あわや墜落!?」進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
アクロバットな低空飛行で、あわや墜落!?
"進撃の巨人 ATTACK ON TITAN" 二部作後編。
通常スクリーンで鑑賞。
原作マンガは既読です。
前編の特撮シーンがとても良かったので本作も劇場へ足を運びました。しかし、蓋を開けてみれば巨人同士の戦いが殆ど無い。否、エレンの巨人VS鎧の巨人のバトルはありましたがいかんせん短い。その戦い方も前作にはあった獣みたいな荒々しさが失われ、洗練された印象でした。「サンダ対ガイラ」を想起させる戦いを期待していた身としては、肩透かしを食らった感じ。相変わらず特撮のレベルは高かったですが…
ストーリーとしては人間同士の戦いへシフトし、巨人が生まれた理由などが語られました。それぞれが思惑を抱え、いろいろな意味で世界を終わらせるための戦いへなだれ込む展開。
「なんとしてでも完結させなければならない!」と云う強い意思は感じられましたが、無理矢理な理屈を捏ねて、アクロバット的に解決させようとしている印象でした。
しかもそれが、物語の低空飛行を招いてしまっている悲惨さで、これはさすがにいかんともし難いな、と…。そのまま墜落しなくて本当に良かったと胸を撫で下ろしました。
興行的にも失敗し、あられもない評判を獲得することに。町山智浩が脚本に参加しているにも関わらず、「映画秘宝」のはくさいアワードにて前編が1位、本作が4位に選出…
ですがこの二部作は、「シン・ゴジラ」の前哨戦の意味があったのではないかな、と…。キャストも被っているし、特撮演出にもこの延長線上に「シン・ゴジラ」がある気がする。
でも、良いことばかりでないのも事実。「シン・ゴジラ」の宣伝では庵野秀明の名前ばかり出され、樋口監督の名前は殆ど出て来ない始末。どうなる樋口監督。頑張れ樋口監督!
[以降の鑑賞記録]
2019/01/14:DVD