「捨てるのか、守るのか。主人公の苦悩と、最後の決断。」進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
捨てるのか、守るのか。主人公の苦悩と、最後の決断。
【賛否両論チェック】
賛:数々の謎が解け、人間の愚かで醜い本質を知った上で、なお自分の信念に沿った戦いを続けようとする主人公の孤高な姿に、勇気づけられる。意味深なラストにも注目。
否:前作の知識は必須。まるで怪獣映画のような巨人の戦いのシーンは、原作やアニメファンには敬遠されそう。グロシーン等も多数あり。
前作が巨人との戦いがメインだったのに比べると、本作は巨人の“正体”の部分に焦点が当てられています。巨人はどうして出現したのか、人類のために自分はどうするべきなのか、そして本当の敵は誰なのか。そんな様々な謎が解けた時、主人公の苦悩は頂点に達します。ただただ自分の運命を切り開くためだけに戦っていた前作よりも、もっと人間としての深い部分を描き出している感じです。あまり言うとネタバレになってしまいますが、“何か”に遭遇した高校生達が不思議な力に目覚めていく「シグナル」という映画や、あの「メイズ・ランナー」にも通じるような印象を受けました。
そうした人間の本質の愚かさや醜さを知ったからこそ、なお“家畜の安寧”を捨てて茨の道を歩もうとあがく主人公の姿に、自然と勇気をもらえます。
「俺は天国の奴隷より、地獄の自由を選ぶ!!」
という決め台詞が、まさに痛快です。
前篇ほどではありませんが、相変わらずグロシーンはかなり多めですので、それだけご注意を。自分を鼓舞したい全ての人に贈る、大人向けファンタジーです。
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