バケモノの子のレビュー・感想・評価
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よく作られた親子の成長物語
父親とは離婚の為別れ、母親に死なれ、たった独りになってしまった少年「蓮」。不愉快な親戚に引き取られることを嫌がり、ただ一人街へ飛び出す。
新宿の街をさまよううちに出会った謎の男。その男に誘われるまま迷い込んだのは、異形の怪物ばかりすむ「渋天街」。
そこで彼を誘った謎の男こと「熊徹」の弟子になる。二人は日々、大喧嘩しながらも、互いに成長してゆく。
この話のテーマとして感じたのは、 「親子」「成長」でした。
熊徹と蓮(九太)。ふたりは凸凹コンビですが、互いに嘘なく真っ直ぐに生きて行きます。良い親子だなと感じました。
九太は最初からたくましいですね。家を飛び出したり、バケモノの家に居ついたり。我の強さと、負けん気の強さ、勇気は相当です。
熊徹は良くも悪くも単純で嘘がなく、ひたすら真っ直ぐです。九太を通して、彼も成長していきます。
熊徹のライバル猪王山。全てに置いて熊徹を上回る男でしたが、息子の一郎彦には嘘をついていました。彼も人間だったのですが、伝えることがありませんでした。その嘘が、後半に大きなトラブルを起こすことになってしまいます。
一郎彦が成長するにつけ顔を隠すようになったのは、自分が人間であることに対する引け目。人間でありながら、バケモノの街で平然と生きていける九太への嫉妬だったんですね。
次郎丸はいじめっ子から、包容力のある立派な若者になったなと思います。今後が大変な一郎彦を支えていけるでしょうね。きっと。
多々良と百秋坊。2人が間にいたからこそ、熊徹と九太の関係が成立出来たんですね。
孤独ながり勉少女楓。
楓は九太が蓮として人間世界に帰るきっかけになります。
この作品は、九太の本来の親である父親との関係もしっかりと描いています。
バケモノの子九太としてだけでなく、人の子である蓮としての彼も描いていったのが秀逸だと個人的には感じました。
一見の価値ある良い作品でした。
最後に一郎彦と猪王山の親子関係。一郎彦の今後の生き方なんかを別作品で書いてくれたらなあと思ってたりします。
ふむ
物足りない
師匠と弟子
う~ん・・・
前半を観ていて、初期の宮崎アニメを小粒にしたようなノリだなと感じていたら、成長した少年が人間界への憧れを募らせてゆく後半から流れがやや変わり始める。
しかし、簡単に二つの世界を行き来できる所や主人公の少年が元の人間界で生きてゆく躊躇いや葛藤の描写が希薄。
クライマックスの渋谷での戦いも、相手側のライバルの少年との因縁を前半から伏線として何も描いていないので無理矢理に盛り上げた感は否めず、親父代わりの熊鉄の最後の決断も何か場当たり的に感じてしまう。
''親父越え''がテーマだと思うが、これでは結局親父代わりの熊鉄頼りで勝利した事になり、焦点がボヤけたまま終わってしまった。
日本の劇場用アニメの本当の意味での親父(宮崎アニメ)越えはいつになるのか。
かいさーん!
渋谷がリアルに描かれていて、場所がわかるのが面白かった。
内容は、千と千尋のような、スターウォーズのような、ベストキッドのような、、新鮮味はあまりない。
誰しも持っている心の闇と向き合い、例え血が繋がっていなくても築ける周りの人との絆や強い信念で貫いて対峙しよう、というメッセージ性?
とはいえ主人公はなんだかんだで愛されていて恵まれているが、一郎彦は人間界に帰る場所もなく、育ての親の猪も微妙な性格で、弟は育ての親と血が繋がっている境遇。一番可哀想だと感じた。
役所広司はいつからかムサくてデリカシーのない役ばかりになっているが、今回の熊哲も。宮崎あおいと広瀬すずが良かった。
ウサギのか細い声での「かいさーん!」がツボ。
可もなく不可もなく
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