「後半が酷い」バケモノの子 えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)
後半が酷い
『バケモノの子』を鑑賞。
細田守監督の最新作である。
母親を亡くしたレンは既に離婚していた父親とも疎遠。渋谷の街でバケモノの熊徹と出会い、バケモノの世界「渋天街」に迷い込んだレンは熊徹の弟子となり、熊徹に名付けられた「九太」として修行に励んでいく。
私自身、今まで細田守作品を観た事がなく、今作が初めての鑑賞となった。
序盤は熊徹が師匠でありながら父親代わりでもあり、親子の絆を中心に描かれている。無鉄砲な熊徹も父親代わりとして九太と共に成長していく様子は非常に共感できて楽しめた。
しかし、中盤からきな臭くなり、終盤においては別の映画を観ているような錯覚に陥る。
ネタバレをする気はないので詳しくは書かないが、作品のテーマが親子の絆なのであれば楽しめるのは序盤まで。主人公レンの成長と人間社会への復帰をテーマとするなら中盤少し楽しめるかも。
つまり前半と後半のテーマが全く異なるのでストーリーが支離滅裂なのだ。こんなまとまらないストーリーも珍しい。そして何より終盤の展開が酷すぎる。
無理やり褒めるとすれば、「先が読めない」事くらい。
今作を楽しめれば他の作品も鑑賞してみるつもりであったが、その機会はしばらく訪れそうもない。
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