「エンタテイメントを装いながら、実は自分を鼓舞するために作った?映画」バケモノの子 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
エンタテイメントを装いながら、実は自分を鼓舞するために作った?映画
細田守原作・脚本・監督による2015年製作(119分/G)日本映画。配給:東宝、劇場公開日:2015年7月11日。
「果てしなきスカーレット」がとても面白かったので、細田守の未視聴過去作も視聴してみた。
渋谷の繁華街のすぐ裏側に別世界があるというのはありきたりだが、それがバケモノの世界でそこに主人公が紛れ込むという発想は、かなり面白く感じた。そして、その世界にはもう1人人間が紛れ込んでいて、そいつが最大の敵というのも、面白い。そしてバケモノにはないが、人間2人の胸には大きな穴(闇の心、人間の業?)」が存在している。
物語のメインとしては、師匠の熊徹(声は役所公司)と弟子の九太(宮崎あおい、染谷将太)の交流を通じてのお互いの成長を描いているのだが、青年ふたりの胸穴の印象が強く残った。もちろん、それらは細田守の闇の心の反映なのだろう。スカーレットの内容を補助線に考えれば、それは恨みと復讐心ということか。
熊徹、そして兄貴分的存在の百秋坊(リリーフランキー)と多々良(大泉洋)も、もしかすると楓(広瀬すず)も、実在のモデルが多分いるのだろう。熊徹は、かつて師匠にしたいと思ったがその後恨みもした宮崎駿!?自分のアニメの中だが、彼を殺して自分の糧・武器にしてしまって強い存在となり、闇の心を解消することができたという、実はとてもパーソナルな映画なのかな。
監督細田守、原作細田守、脚本細田守、製作中山良夫 齋藤佑佳 井上伸一郎 市川南 柏木登 中村理一郎 薮下維也 熊谷宜和、ゼネラルプロデューサー奥田誠治、エグゼクティブプロデューサー門屋大輔 高橋望、プロデューサー齋藤優一郎 伊藤卓哉 千葉淳 川村元気、ラインプロデューサー和気澄賢、アソシエイトプロデューサー佐藤譲 伊藤整 鈴木智子、作画監督山下高明 西田達三、美術監督大森崇 高松洋平 西川洋一、色彩設計三笠修、CGディレクター堀部亮、美術設定上條安里、衣装伊賀大介、編集西山茂、録音小原吉男、音響監督赤澤勇二、音楽高木正勝、音楽プロデューサー北原京子、主題歌Mr.Children、キャスティングディレクター増田悟司、制作スタジオ地図。
声
熊徹役所広司、九太(少年期)宮崎あおい、九太(青年期)染谷将太、楓広瀬すず、猪王山山路和弘、一郎彦(青年期)宮野真守、二郎丸(青年期)山口勝平、一郎彦(少年期)黒木華、二郎丸(少年期)大野百花、チコ諸星すみれ、九太の父長塚圭史、九太の母麻生久美子
宗師津川雅彦、百秋坊リリー・フランキー、多々良大泉洋、賢者中村正、賢者沼田爆、賢者草村礼子、賢者近石真介、アナウンサー桝太一、TV経済ニュース郡司恭子、秋月成美、石上静香、井上肇、岩崎ひろし、宇梶剛士、牛山茂、宇山玲加、大出菜々子、大西礼芳、小川ガオ、小栗旬尾崎右宗、各務立基、加藤裕、木村聖哉、栗原卓也、桑原裕子、虎島貴明、小林直人、小林正寛、小林里乃、斉藤一平、佐々木勝彦、佐原誠、清水一彰、杉野なつ美、瀬戸麻沙美、高橋伸也、田中要次、谷村美月、長克巳、出口哲也、戸井勝海、土井玲奈、徳本英一郎、戸田めぐみ、中澤健太郎、中島広稀、中根久美子、野口真緒、蓮岳大、原扶貴子、藤原希、堀田勝、M・A・O、松本花奈、丸山優子、水澤紳吾、水野智則、三井理陽、三宅麻理恵、武藤心平、最上嗣生、森史絵、山形匠、山本兼平、悠木碧、結城さなえ、李千鶴。
