劇場公開日 2015年7月11日

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「人間の闇」バケモノの子 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0人間の闇

2021年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 独立してからの細田監督。若者向けに作られた『時をかける少女』と『サマーウォーズ』は好きだけど、その他は好きになれない。誰のために作られたかと考えると、やはり対象年齢が下がってきているとしか思えない。

 バケモノの世界と人間世界。人間を見下していたり、“闇”を宿して混乱を招くといった渋天街の常識を宗師ならば変えられるという設定は面白いのに、終わってみると単なる親子愛という平凡なメッセージに変化していたように思う。蓮という名前を持ちながら、熊徹につけられた「九太」という名前を甘んじて受ける。小学生とはいえ、彼のアイデンティティは一体どこへ・・・

 渋谷のモブシーンは丁寧な作りでダイナミクスを感じるし、9歳の少年にして喪失感や高みを目指す反抗心には胸打たれたのだが、バケモノたちが可愛いためだろうか、異世界の恐怖も全くない。あ、やっぱり子供向け。ただ、そこから西遊記みたいなメンバーでの修行の旅で多くの賢者たちに会ったり、ジャッキー・チェンを思わせるような修行の日々がまた良かったりする。人間世界の描き方が素晴らしかったため、可愛いバケモノとのギャップが残念でならない。

 関係ない話ですが、金沢市には富山県南砺市との県境に医王山(いおうぜん、標高939m)という山があります。細田監督も富山出身なので知ってるはずで、熊徹のライバルとなる猪王山(いおうぜん)の名前もここからなんだろうな~。

kossy
零式五二型さんのコメント
2021年6月18日

細田作品の賛否は極端ですよね。
私はおおかみこどもの雨と雪がズバ抜けてしまい、他の作品のモチーフに共感できませんでした。
サマーウォーズは意味分からんかったし未来のミライはもう何が何だか。
このバケモノの子は親子愛の物語で良かった。
マニアックですよね〜😅

零式五二型
kossyさんのコメント
2021年6月15日

ぷにゃぷにゃさん、コメントありがとうございます。
格闘場や渋谷のシーンが良かったのですが、舞台となるとちょっと無理かも…

kossy
ぷにゃぷにゃさんのコメント
2021年6月14日

劇団四季が舞台化するそうですね。
見たことないんですが、舞台に合う設定なのでしょうか。

ぷにゃぷにゃ