あんのレビュー・感想・評価
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樹木希林、永瀬正敏が
抜群にうまい。もはや演技とは思えないぐらいの自然体。樹木希林と共演するということは役者のしての資質が試される機会でもあるのだろう。2人につられ女子高生役もリアルな演技だった。ハンセン病の差別にまっすぐ向き合う監督の眼差しも素晴らしい。風にそよぐ木々を映しながら、この世に生きる意味はあるという樹木希林のラストのカセットテープのシーンは涙無しには見られない。
たまに、こういう良作に出会えるから邦画をみる。
原作が素晴らしいのね。
冒頭から楽しくて仕方なかった(^^)。
さくらの木を揺らす、風の音がうつくしい。
炊き立ての小豆の色、ほふほふ立ち上る湯気がうれしい。
世界を聴くことで、観ることで、よろこぶことで、
(たとえ何者になれなくても)生まれてきた意味を実感する人物たちが愛おしい。
雑な作業を嗜められたてんちょさんが「・・・すぃませ」って謝る。
「なんで謝るのォ?(^^)」と不思議そうに微笑む徳江さん。
ここ、すごくない?
日が経つほどに連携が巧くなる二人、嬉しくて涙が出る。
元ハンセン病患者が登場する物語だけど、
説教臭くないお話しなので耳が痛くならないところも好き。
映画を楽しく観る、という体験が、
「何かを見たり聞いたりする歓びにこそ、生きる意味がある」
というメッセージになって観客にやさしく寄せられる。
何か成し遂げなければ、と焦燥感にかられる日常から離れ、
前向きに生きる基点に立ち返ることができる一作。
徳江さんのもとを二回訪れるのがダレたのと、ラストシーンは泣かせ方が少々合わなかったのでマイナス0.2。綻びが惜しくも・・・あばたもえくぼ?音と色が大切な映画なのでBlu-ray購入。
「店長さん、お世話になりました、楽しかったです」 「店長さん、私は...
「店長さん、お世話になりました、楽しかったです」
「店長さん、私は大丈夫よ」
この映画の全てがこのシーンに詰まってる
徳江さんの感謝、気遣い、優しさ、思いやり、寂しさ
千太郎のやるせなさ、ふがいなさ、感謝、寂しさ、己の無力さ
このシーンを観るためだけにこの映画を観る価値は十分ある3回見直して3回泣いた
樹木希林さんのこれは演技じゃない自然すぎる
監督がいいのか原作がいいのか樹木さんがいいのか分からないけどすごい
久しぶりに当たりだった観て良かった
移りゆく季節のなか、忘れえぬ人がいた慕情
ハンセン病と言う重い題材でしたが、日々の生活のなかで当たり前にあることが
幸せであることに気付かされました。
徳江さんが若い時代に病で隔離されたときとどら焼き屋の店にいた中学生のワカナさんが
同じ眼、悲しい瞳でいたこと。
どら焼き屋の千太郎さんを自分の息子のように思っていたこと。
自然の草木や生き物に言霊があるように
言葉を語っていたこと。
虫の知らせがあったように、千太郎さんとワカナさんが施設に駆け付けたこと。
徳江さんが遺していった大事なものがそこにありました。
どら焼きのあんを美味しく食べられる小さな幸せを感じることが出来ました。
徳江さんが懸命に生きたように、桜の木が
しっかりと地面に根付いて花びらが舞っていました。
あんが繋げた縁
千太郎のバックグラウンドが
最後の方で明かされるので、
なんとなく闇を抱えている
んだろうなとわかる。
とくえとの日々で何か心が
洗われたんだなとわかる。
千太郎の自分の無力感を痛感するが、
それもそれほど主張させず静かに
物語が進む。
時間経過を四季の移り変わりで
表現しているのがおしゃれですね。
最後のシーンはとくえへの
メッセージと同時に自分の道を
見つけたんだと思います。
らい病、ハンセン病の必然性が
あるんだろうか。それほど深く
掘り下げてもいないし、
千太郎の客に重い障がいを
あたえてしまったくらいしか
リンクしないし。
らい予防法も廃止され、
治療薬も開発され治る病でも
世間の理解がないままの現状を
描いた結果、
暗い映画になってしまった。
もっと前向きな明るい物語に
したほうが良かったような。
切なくとも人間にとって何が大切かを教えてくれる。 重さがなく自然に...
切なくとも人間にとって何が大切かを教えてくれる。
重さがなく自然に伝わってくる感じがよかった。
時折流れる自然の景色、街並みの映像や音が、さらに心情をより伝えてくれている気がする。
そして、樹木希林の自然体の演技に和み、すごさに泣けた。
永瀬正敏の心に闇を抱えた目から希望の光が射した目に変化した表情は良い表情だったなぁ。
切なさの中に優しさがあって、生きる力や勇気をくれる、じんわりとした良い映画でした。
餡はねぇっ!気持ちなのよ!
内容は、主人公の問題を抱えてる中年男とふと春の訪れと共に訪れた、おばあさんとのどら焼きを通じた心のふれあい物語。好きな言葉は『どっちが好み?私ねぇ、季節を間違えちゃったのよねー』そんな言葉で初夏の日差しの下で手渡す手編みの座布団。何時も突然別れが訪れる世間と自分の死が間近にある自分自身を直視し、ひたすら自分の生きた証として人の為に尽くしたい。そんな言葉には表し難い切ない気持ちが、胸を深くえぐりました。明日は本当に無いのかもしれないと思う気持ちはどんな感じなのだろう。この物語は結構好きで劇中に出てくる『いのちの初夜』や原作『あん』ドリアン助川著も目を通しました。ハンセン病患者との壮絶な歴史は何も言えない衝撃を受けました。毎年12月に行われる講演会にも伺った事もあり、『舌筆👅🖌』の話が印象に残りました。舌筆とは、ハンセン病が進行し手足指先が腐り落ちて目も見えずあらゆる感覚が削ぎ落とされ最後に残る感覚が舌先だけであり舌先で点字を読んでコミュニケーションをとるので、せめてもの安らぎとして甘い物を大切にし、それが餡子であり『あん』だったという事が分かり余計に胸が締め付けられ共感には遠く及ばない思いがしました。物語は日差しと共に主人公の成長で終わりカタルシスの解放が感じられ見応えのある作品だった様に感じました。
「生きる意味」を教えてくれる静かな感動映画でした🈵
桜の季節から始まり、四季の移ろいとともに、静かにゆっくりと物語が展開していく。
主人公の永瀬正敏、樹木希林そして中学生のワカナちゃん、それぞれに束縛された事情を抱えている。
辛く長い間、自由を奪われて陽の当たらない生活を強いられてきた樹木希林役の徳江には、耳を澄ませば自然の声が聴こえて来るという。
その声を頼りに出会った永瀬正敏役の千太郎とワカナちゃん。
樹木希林の一言、一言が深く重みをもって心に響いてくる。
どんな状況で生まれてこようとも、この世界を見ることに、この世界の声を聴くことに、生きる意味があるんだというようなことを、さらりと語る樹木希林の言葉は、とても印象に残りました。
いずれにせよ、この映画は、樹木希林の遺言のような、とても感慨深い映画だなと思います🈵
かつて経験したことの無い涙
この映画を観るまでどんな手法で泣かしてくれるのか・・・そんなことばかり考えていた‼️しかしこの映画は今まで観てきたどの映画にも属さず、カタルシスでも無い涙が流れ出る❗この涙は一体何処から流れる涙なのか見当も付かないのだ‼️
生きる意味にふれるよう
全編を通して実に静かで美しい。
光や風や草木、それと生活音が心地良いんですね。
河瀬直美作品にしては「らしく」無いと言うか、スッと入ってくる作りでした。
そしてとにかくキャスティングが素晴らしかったです。
永瀬正敏の作り出す空気がとても良く、樹木希林との相性も良かった。
それにしても樹木希林は本当に凄い役者だなと毎回唸らせられます。
いや本当一人で全部持ってっちゃう感じで、つくづく化け物ですね。
ふとした「小鳥より早く起きてる」って台詞はアドリブ?なくらい自然ですもの。
そんな樹木希林の役所は凄くチャーミング。
ぶっきらぼうな永瀬と良いバランスで、二人の声のトーンがまた良いんですね。
それと後半にでるのが市原悦子がまたすばらしい。
ふわりとした心地良さではありますが、途中からは人の根底にある差別にもふみこんだ物語。
手紙に綴られた言葉は美しく心に染み入るようで、溢れてきた涙がとまりませんでした。
生きる事、その意味にふれるような作品です。
樹木希林が凄い
タイトル通りの感想につきる。
監督の撮り方は女性的で素人っぽかった。狙いだとしたら吉と出たかどうか・・
風景にしてももっと綺麗な撮り方ができなかったかなぁと感じた。
その分の0.5減点。
しかし樹木希林の芝居が全ての粗を消してくれた。
徳江さんがあまりに無邪気で愛らしくて優しくて
店長にあんの作り方をおしえてるときから涙が止まらない。
何の涙か分からないが止まらない。
鼻水も出てきてわけわからない。
その先を知ってたからだと思うけど、にしても樹木希林の芝居が良すぎる。
勘弁してくれと言いたいくらい。
あんな芝居する人世界のどこ探してもいないと思う。
施設で再会した時の徳江さんの「楽しかったぁ」で涙腺崩壊でした。
観終わった後の徳江ロスがひどいです。
樹木希林がバラエティかなんかで現実とのギャップでも見せてくれたらロスから解放されるかもしれないがそれも叶わない今、当分ロスから抜け出せそうにない。
それだけ樹木希林の芝居は残る。
観てよかったのか?と自問するくらいです。
人生の最大の輝かしい時間
随分以前に映画館で鑑賞して結構感動したのに、
なんでかレビューを書かずにいました。
他のレビュアーさんの感想を読んで
ああ、そうそう!!と思い出した次第。
映画の記憶はかなり薄くはなっているのですが
印象に残っているのは
樹木希林さん演じる徳江さんが本当に楽しそうに
餡子を炊いていたこと。
物語の後半、同じ隔離施設の
市原悦子の演じる友人が語る徳江さんの半生が
胸に迫って来る。
狭い施設の中で時々は餡子を炊いて
周りの友人達はきっと喜んでくれたのだろうけど
自分のできる最大の特技をやはり施設の外でも
試してみたい!と思うのはとても自然な事。
あの短い時間は徳江さんの人生の
唯一の輝かしい日々だったのかも(涙)
徳江さんの生きる喜びや張り合いを奪ってしまう
一般人の「無知」による「差別」の
なんと恐ろしく罪深いことか~~。
ぜひ、ご覧になって下さい。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
色んな方のレビューを読んで
中身がないとか、話は退屈とか、お涙頂戴とか
書いてる人がいて、そこは個人の感想ですから
私なんかが文句を言う筋合いでは無いけど
ちょうどコロナに全国民が苦しんでいる今、
コロナに罹った人々がその後、
社会から差別を受けたとしたらどう思うのだろうか?
本人の責任でもないのに病気にかかったというだけで
人生の大半を限られた空間に閉じ込められて
子供を持つことも許されず、職業の自由も無く
死ぬまでそこだけで暮らさなければならないとしたら?
そういう想像力と共感力は失いたくないですね。
どら焼き
素晴らしい映画だった、なぜ、公開時に観なかったのだろう。
樹木希林と永瀬正敏の演技の凄さに尽きる。
浅田美代子も嫌な役回りを良く演じてくれました。
医師でありながら、1996年と割と最近に「らい予防法」が廃止された事を知った。
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