劇場公開日 2015年5月30日

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「季節のながれとほんのわずかな希望の物語」あん ムビタイさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5季節のながれとほんのわずかな希望の物語

2015年6月14日
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鑑賞方法:映画館

どら焼き屋の訳あり店長とそこに訪れた老女、女子高生〜何れもが社会の光に入れない影を背負いながら〜交差していく1年の物語。
河瀬直美監督ならではの自然の美しさ、前半から少しだけカーブして人生の深遠さを描く後半…という語り口スタイルは過去作同様であるが、原作ものらしく哲学的な難解さはなく、物語と人物の表情に深読みせず浸れる内容であった。秦基博さんの主題歌も内容にしっかり寄り添う素敵な一曲。
水野美紀さんや浅田美代子さんの演じた役が、主人公たちを翻弄するけれど、言動が一本調子で感情移入できない薄っぺらな感じだったのが狙いなのか気になったが、でもそれは作品のマイナスにはなる程度のものではない。
どら焼きが無性に食べたくなった。

ムビタイ