「原作が素晴らしいのね。」あん 雨丘もびりさんの映画レビュー(感想・評価)
原作が素晴らしいのね。
冒頭から楽しくて仕方なかった(^^)。
さくらの木を揺らす、風の音がうつくしい。
炊き立ての小豆の色、ほふほふ立ち上る湯気がうれしい。
世界を聴くことで、観ることで、よろこぶことで、
(たとえ何者になれなくても)生まれてきた意味を実感する人物たちが愛おしい。
雑な作業を嗜められたてんちょさんが「・・・すぃませ」って謝る。
「なんで謝るのォ?(^^)」と不思議そうに微笑む徳江さん。
ここ、すごくない?
日が経つほどに連携が巧くなる二人、嬉しくて涙が出る。
元ハンセン病患者が登場する物語だけど、
説教臭くないお話しなので耳が痛くならないところも好き。
映画を楽しく観る、という体験が、
「何かを見たり聞いたりする歓びにこそ、生きる意味がある」
というメッセージになって観客にやさしく寄せられる。
何か成し遂げなければ、と焦燥感にかられる日常から離れ、
前向きに生きる基点に立ち返ることができる一作。
徳江さんのもとを二回訪れるのがダレたのと、ラストシーンは泣かせ方が少々合わなかったのでマイナス0.2。綻びが惜しくも・・・あばたもえくぼ?音と色が大切な映画なのでBlu-ray購入。
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