「優しさに包まれる」あん cocoさんの映画レビュー(感想・評価)
優しさに包まれる
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沢山、涙が出た。
あの、心優しいおばあちゃんが、ハンセン病差別のせいで隔離され、苦しい思いをして生きてきたのを知り、すごく許せない気持ちになった。
ハンセン病の人を差別するような、人権を無視するような法律が過去に存在したことに腹が立った。
おばあちゃんは我が子を授かったのに、愛し合って授かったのに、嬉しかっただろうに、子供を産むことを許されなかった。国に許されなかった。ひどいな。
おばあちゃんのことが愛おしいから、素敵な人だから尚更、愛着が湧いて、大好きな人を苦しめたものに腹が立つ。
映画とは、そういうものなのだ。
ただのエンターテインメントではなく、存在意義はこういうところにもある。
中学生の子は、あそこが居場所なのだ。家に居場所はなくても、あの暖かいどら焼き屋さんがあれば、あの子は生きていけるのだ。
日常にあふれているはずの風景がとても美しく映し出されていて、太陽や月や風に話しかけたくなった。もっと些細なことのメッセージを受け取りたいと思った。
情報やエンターテインメントが溢れているけど、もっと近くにいつもある、当たり前の中に感動やメッセージがあるのかもしれないと思った。
見終わったら、大切なものを思い出せたような、じんわりと暖かな気持ちになった。
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